【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「――実は、子どもの頃にも出会っておりましたの。陛下が視察にきた村で……十五年の月日を経て、再び出会うとは思いませんでしたわ」
「まぁ! それでは二人は出逢うべくして出逢ったのですね! ロマンチックですわぁ」
うっとりとしたように、女性が頬に手を添える。
――社交界で絶大な人気を保つ、コラリー・U・ルサージュ。
彼女がアナベルに話しかけたことで、会場内は少しざわついた。
ルサージュ伯爵家――古くから続く魔法研究の一族だ。
その功績を考えると、いつ陞爵してもおかしくないと言われるほど。
ルサージュ伯爵家の一人娘であるコラリーは、社交界デビューを華々しく終え、女性たちはもちろん、男性たちからも一目置かれる存在となった。
それはともかく、そんな彼女が友好的にアナベルと話しているのだ。
「そのドレスも素敵ですわね。極上のシルクとお見受けしましたわ」
「さすがですわ、ルサージュ伯爵令嬢! こちらはクレマン座長がくださいましたの」
シュミーズドレスの裾を持ち上げて、くるりとその場で回転した。
ふわりと軽やかに広がり、貴族たちの目を奪う。
「私のことはコラリーとお呼びください。……令嬢のことはどうお呼びすれば良いかしら?」
「――アナベル、とお呼びください。この名は亡くなった両親が贈ってくれたものですから」
自分の胸元に手を置いて、にこりと微笑む彼女に、周りにいた人々は魅了されたかのようにぽうっと赤くなった。
「まぁ! それでは二人は出逢うべくして出逢ったのですね! ロマンチックですわぁ」
うっとりとしたように、女性が頬に手を添える。
――社交界で絶大な人気を保つ、コラリー・U・ルサージュ。
彼女がアナベルに話しかけたことで、会場内は少しざわついた。
ルサージュ伯爵家――古くから続く魔法研究の一族だ。
その功績を考えると、いつ陞爵してもおかしくないと言われるほど。
ルサージュ伯爵家の一人娘であるコラリーは、社交界デビューを華々しく終え、女性たちはもちろん、男性たちからも一目置かれる存在となった。
それはともかく、そんな彼女が友好的にアナベルと話しているのだ。
「そのドレスも素敵ですわね。極上のシルクとお見受けしましたわ」
「さすがですわ、ルサージュ伯爵令嬢! こちらはクレマン座長がくださいましたの」
シュミーズドレスの裾を持ち上げて、くるりとその場で回転した。
ふわりと軽やかに広がり、貴族たちの目を奪う。
「私のことはコラリーとお呼びください。……令嬢のことはどうお呼びすれば良いかしら?」
「――アナベル、とお呼びください。この名は亡くなった両親が贈ってくれたものですから」
自分の胸元に手を置いて、にこりと微笑む彼女に、周りにいた人々は魅了されたかのようにぽうっと赤くなった。