【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
紹介の儀 4話
顎の下で両手を合わせ、エルヴィスを見上げて楽しそうに声を弾ませ、
「舞踏会を開いてくださいませ!」
と、エルヴィスを上目遣いで見上げながら可愛らしくお願いをした。
「舞踏会?」
エルヴィスは目を丸くした。よく観察すれば、他の貴族たちも呆気に取られた表情をしていたので、彼女の言葉はそれほどまでに意外だったらしい。
「はい。わたくし、みなさまともっとお話ししたいと思っておりましたの。そして、エルヴィス陛下がどんな方なのか、いろんな方に知っていただきたいの! もちろん、わたくししか知らないことをあるでしょうけれど……」
きゃっと両頬を包み込むように手を添えるアナベルは、恥じらうようにエルヴィスから視線を外した。
エルヴィスはふっと表情を綻ばせると、アナベルの髪を少し手に取り、ちゅっと音を立てて口付ける。
「――私はあまりダンスが得意ではないのだが……きみが望むのならば」
「お優しいエルヴィス陛下、大好きですわ」
彼の口から望んでいた言葉が聞けて、アナベルは笑みをより一層深めた。
「……そういえば、アナベル、さんは踊り子でしたね。やはりダンスが得意なのですか?」
近くにいた男性がアナベルに話しかけてきた。彼女は男性のほうを見ると、困ったように眉を下げる。
「――実は、社交ダンスを習い始めたばかりですの」
「舞踏会を開いてくださいませ!」
と、エルヴィスを上目遣いで見上げながら可愛らしくお願いをした。
「舞踏会?」
エルヴィスは目を丸くした。よく観察すれば、他の貴族たちも呆気に取られた表情をしていたので、彼女の言葉はそれほどまでに意外だったらしい。
「はい。わたくし、みなさまともっとお話ししたいと思っておりましたの。そして、エルヴィス陛下がどんな方なのか、いろんな方に知っていただきたいの! もちろん、わたくししか知らないことをあるでしょうけれど……」
きゃっと両頬を包み込むように手を添えるアナベルは、恥じらうようにエルヴィスから視線を外した。
エルヴィスはふっと表情を綻ばせると、アナベルの髪を少し手に取り、ちゅっと音を立てて口付ける。
「――私はあまりダンスが得意ではないのだが……きみが望むのならば」
「お優しいエルヴィス陛下、大好きですわ」
彼の口から望んでいた言葉が聞けて、アナベルは笑みをより一層深めた。
「……そういえば、アナベル、さんは踊り子でしたね。やはりダンスが得意なのですか?」
近くにいた男性がアナベルに話しかけてきた。彼女は男性のほうを見ると、困ったように眉を下げる。
「――実は、社交ダンスを習い始めたばかりですの」