【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「王妃陛下が危害を加えるなら、外ではなく中のものです。あそこでは、王妃陛下が無茶を言っても許されますが、ここは陛下の管轄ですから、手が出せないのです」
陛下の管轄? とアナベルは首をかしげる。
では、どうやってイレインは寵姫たちを亡き者にしたのだろうか、と。
「……宮殿に住んでいた寵姫たちは、王妃陛下の主催するお茶会の帰りに……。それも、わざわざホテルを貸し切ってのお茶会でしたから、寵姫たちは街で倒れ、金目の物は盗まれ散々な姿で発見されたと聞いております」
「……やることがえげつないわね……」
いやそうに眉根を寄せるアナベルに、メイドは「本当に」と同意した。
そんな会話をしていると、ペンと紙とインクを持ったメイドたちが戻ってきた。アナベルは静かにベッドから降りる。
(――大丈夫、動ける)
とはいえ、歩くのにかなり時間がかかってしまうが、なんとか歩き出す。
「ありがとう。ちょっと椅子と机を借りるわね」
椅子に座り、紙を広げた。インクの蓋を開け、ペン先をつける。
「とりあえず、情報を整理しましょう。王妃イレインの噂話を、なんでもいいから話してちょうだい」
「かしこまりました、アナベルさま」
メイドたちも椅子に座らせ、アナベルは彼女たちから聞いた話を書き込んでいく。
陛下の管轄? とアナベルは首をかしげる。
では、どうやってイレインは寵姫たちを亡き者にしたのだろうか、と。
「……宮殿に住んでいた寵姫たちは、王妃陛下の主催するお茶会の帰りに……。それも、わざわざホテルを貸し切ってのお茶会でしたから、寵姫たちは街で倒れ、金目の物は盗まれ散々な姿で発見されたと聞いております」
「……やることがえげつないわね……」
いやそうに眉根を寄せるアナベルに、メイドは「本当に」と同意した。
そんな会話をしていると、ペンと紙とインクを持ったメイドたちが戻ってきた。アナベルは静かにベッドから降りる。
(――大丈夫、動ける)
とはいえ、歩くのにかなり時間がかかってしまうが、なんとか歩き出す。
「ありがとう。ちょっと椅子と机を借りるわね」
椅子に座り、紙を広げた。インクの蓋を開け、ペン先をつける。
「とりあえず、情報を整理しましょう。王妃イレインの噂話を、なんでもいいから話してちょうだい」
「かしこまりました、アナベルさま」
メイドたちも椅子に座らせ、アナベルは彼女たちから聞いた話を書き込んでいく。