【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
寵姫 アナベル 2話
「とりあえず、コラリー嬢から誘いには、乗ったほうが良いと思います」
「招待状もきていますよ」
「あら、そうですの? では、その誘いには参加の方向で。……なんだか緊張してきますわ」
パトリックの言葉に、メイドが続く。
アナベルは紹介の儀で出会った女性、コラリーのことを思い浮かべて頬に手を添え、小さく息を吐いた。
「どんな人たちが集まるのかしら……?」
「コラリー嬢のことだから、様々な人を呼ぶと思いますよ。参加する人たち全員が陛下の味方というわけでもないでしょうが、中立派もいるはずです」
アナベルは真剣な表情を浮かべて、パトリックの言葉に耳をかたむける。
現状、王妃イレイン派が、国王であるエルヴィス派よりも若干多く見える、とメイドたちが話していた。
それがなぜかというと、イレインに逆らえば命がないから、というのが通説になっているようだ。
(――随分と好き勝手していたみたいね……)
そして、アナベルにはもう一つ、気になることがあった。
「王妃サマには子どもがいましたよね。その子はどうしているんですか?」
「――あー……、それ聞いちゃいます?」
アナベルはじっとパトリックを見つめた。真摯なまなざしを受けて、「う」と彼の頬が赤くなる。
(本当、女性に免疫がない人よねぇ……)
あと数日、旅芸人の一座の踊り子たちに囲まれていたら、取って喰われていた可能性が高いな、と思いアナベルは肩をすくめた。
「招待状もきていますよ」
「あら、そうですの? では、その誘いには参加の方向で。……なんだか緊張してきますわ」
パトリックの言葉に、メイドが続く。
アナベルは紹介の儀で出会った女性、コラリーのことを思い浮かべて頬に手を添え、小さく息を吐いた。
「どんな人たちが集まるのかしら……?」
「コラリー嬢のことだから、様々な人を呼ぶと思いますよ。参加する人たち全員が陛下の味方というわけでもないでしょうが、中立派もいるはずです」
アナベルは真剣な表情を浮かべて、パトリックの言葉に耳をかたむける。
現状、王妃イレイン派が、国王であるエルヴィス派よりも若干多く見える、とメイドたちが話していた。
それがなぜかというと、イレインに逆らえば命がないから、というのが通説になっているようだ。
(――随分と好き勝手していたみたいね……)
そして、アナベルにはもう一つ、気になることがあった。
「王妃サマには子どもがいましたよね。その子はどうしているんですか?」
「――あー……、それ聞いちゃいます?」
アナベルはじっとパトリックを見つめた。真摯なまなざしを受けて、「う」と彼の頬が赤くなる。
(本当、女性に免疫がない人よねぇ……)
あと数日、旅芸人の一座の踊り子たちに囲まれていたら、取って喰われていた可能性が高いな、と思いアナベルは肩をすくめた。