【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
寵姫 アナベル 3話
馬車に揺られて数十分。
目的の場所についたようだ。
馬車の扉が開き、パトリックが手を差し出す。アナベルはその手を取って馬車を降りる。
「……ここは?」
「王都にある孤児院の一つです」
「王都には、そんなに孤児院がありますの?」
「ええまぁ……。とりあえず、中に入りましょう」
パトリックはアナベルをエスコートした。
エスコートをしているときは顔を赤らめないパトリックを見て、仕事とプライベートのオンオフでこんなにも表情の違いが出るものかと内心驚いたアナベルであった。
「あ、あら、これはパトリックさま。ご機嫌麗しゅうございます」
子どもたちは庭先で遊んでいた。みんな笑顔で楽しそうに笑い声を上げている。
小さな子たちのまぶしい笑顔を眺めていると、年配の女性が話しかけてきた。
「アナベルさま、こちらはこの孤児院の院長のミレー夫人です。ミレー夫人、この方はエルヴィス陛下の寵姫、アナベルさまです」
「エルヴィス陛下の……? まあ、それでは、号外の新聞に書かれていたことは、本当でしたのね……!」
目をキラキラと輝かせながら、彼女はアナベルを見つめる。
なぜそんなに輝いた瞳を向けられているのかわからなかったアナベルだが、にこっと可愛らしく微笑んだ。
「お初にお目にかかります。アナベル・ロラ・アンリオと申します」
すっとカーテシーをすると、ミレー夫人もカーテシーをしてくれた。そこで、おや? とアナベルは少し目を見開く。
そのカーテシーは、カルメ伯爵夫人を思わせる優雅さと気品があったからだ。
目的の場所についたようだ。
馬車の扉が開き、パトリックが手を差し出す。アナベルはその手を取って馬車を降りる。
「……ここは?」
「王都にある孤児院の一つです」
「王都には、そんなに孤児院がありますの?」
「ええまぁ……。とりあえず、中に入りましょう」
パトリックはアナベルをエスコートした。
エスコートをしているときは顔を赤らめないパトリックを見て、仕事とプライベートのオンオフでこんなにも表情の違いが出るものかと内心驚いたアナベルであった。
「あ、あら、これはパトリックさま。ご機嫌麗しゅうございます」
子どもたちは庭先で遊んでいた。みんな笑顔で楽しそうに笑い声を上げている。
小さな子たちのまぶしい笑顔を眺めていると、年配の女性が話しかけてきた。
「アナベルさま、こちらはこの孤児院の院長のミレー夫人です。ミレー夫人、この方はエルヴィス陛下の寵姫、アナベルさまです」
「エルヴィス陛下の……? まあ、それでは、号外の新聞に書かれていたことは、本当でしたのね……!」
目をキラキラと輝かせながら、彼女はアナベルを見つめる。
なぜそんなに輝いた瞳を向けられているのかわからなかったアナベルだが、にこっと可愛らしく微笑んだ。
「お初にお目にかかります。アナベル・ロラ・アンリオと申します」
すっとカーテシーをすると、ミレー夫人もカーテシーをしてくれた。そこで、おや? とアナベルは少し目を見開く。
そのカーテシーは、カルメ伯爵夫人を思わせる優雅さと気品があったからだ。