【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
寵姫 アナベル 8話
「この魔法、わたくしの思い通りの効果が得られるのです。甘い香りで相手を油断させたい、と思えば……その通りの効果が。辛い香りで泣かせたいと思えば、その香りを嗅いだ人は涙を流します」
ぽつぽつと、隠していたことを話すアナベル。
この魔法は彼女のオリジナルだから、他に使える人はいない。
それゆえに、クレマンはアナベルに『隠しとけ』と真剣な表情で言ったのだ。
あまりにも、彼女の魔法は自由だった。
そして、それは研究材料にもなりそうだ、と。
クレマンはアナベルの身を案じて、能力を隠すように伝えていた。
「……それは、すごいな……」
感心したようにアナベルを見つめるエルヴィス。
「幻想の魔法の他に、香りの魔法とは……。きみは面白い魔法を使うんだな」
「気が付いたら使えるようになっていて……不思議なんですけれど……」
使えるようになったきっかけだって、ミシェルの愛用していた香水の香りを身にまといたいから、という幼心だ。
自分の香水は減っていないのに、アナベルから似たような香りがすることに気付いたミシェルが、クレマンに相談したのだ。
「……なので、この魔法は私にとって、武器になるかな、と……」
「確かに、効果は絶大のようだな」
地面に転がっていた男の表情を思い出し、エルヴィスは顎に指をかける。
ぽつぽつと、隠していたことを話すアナベル。
この魔法は彼女のオリジナルだから、他に使える人はいない。
それゆえに、クレマンはアナベルに『隠しとけ』と真剣な表情で言ったのだ。
あまりにも、彼女の魔法は自由だった。
そして、それは研究材料にもなりそうだ、と。
クレマンはアナベルの身を案じて、能力を隠すように伝えていた。
「……それは、すごいな……」
感心したようにアナベルを見つめるエルヴィス。
「幻想の魔法の他に、香りの魔法とは……。きみは面白い魔法を使うんだな」
「気が付いたら使えるようになっていて……不思議なんですけれど……」
使えるようになったきっかけだって、ミシェルの愛用していた香水の香りを身にまといたいから、という幼心だ。
自分の香水は減っていないのに、アナベルから似たような香りがすることに気付いたミシェルが、クレマンに相談したのだ。
「……なので、この魔法は私にとって、武器になるかな、と……」
「確かに、効果は絶大のようだな」
地面に転がっていた男の表情を思い出し、エルヴィスは顎に指をかける。