【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
◆◆◆
ゆっくりとお風呂に入り、メイドたちの手によって、頭のてっぺんから足のつま先までピカピカに磨いてもらい、剣の稽古のために動きやすい服に袖を通す。
演習場になっている場所へ歩いていると、別のメイドが慌てたように手紙を持ってきた。
「お、王妃陛下からです……!」
「……わたくしに? 陛下ではなくて?」
こくこくと血の気の引いた顔で何度もうなずくメイドから、手紙を受け取る。
手紙の内容を確認して、アナベルは目を大きく見開いた。
「……宣戦布告、かしらね?」
手紙に書かれていた内容は、アナベルが踊り子で会ったことをやんわりと批判したもの。
それと、『ここでのしきたりを知らないでしょうから、私の侍女を一人、差しあげますわ』と書かれていた。
「……わかりやすく、罠ですよね……?」
メイドたちに内容を伝えると、呆れたような顔をしていた。そして、ほんの少し不安そうに瞳を揺らしているのを見て、アナベルは必死に思考を巡らせる。
「……受け入れましょう、その人を」
「ええっ!?」
「ほ、本気ですか……?」
大袈裟なほど目を見開いて声を上げるメイド、怯えたように震えるメイド、様々な反応を示した。
「だぁって、敵側からやってきてくれるのよ? これはある意味、チャンスではないかしら?」
「あ、アナベルさま……」
ゆっくりとお風呂に入り、メイドたちの手によって、頭のてっぺんから足のつま先までピカピカに磨いてもらい、剣の稽古のために動きやすい服に袖を通す。
演習場になっている場所へ歩いていると、別のメイドが慌てたように手紙を持ってきた。
「お、王妃陛下からです……!」
「……わたくしに? 陛下ではなくて?」
こくこくと血の気の引いた顔で何度もうなずくメイドから、手紙を受け取る。
手紙の内容を確認して、アナベルは目を大きく見開いた。
「……宣戦布告、かしらね?」
手紙に書かれていた内容は、アナベルが踊り子で会ったことをやんわりと批判したもの。
それと、『ここでのしきたりを知らないでしょうから、私の侍女を一人、差しあげますわ』と書かれていた。
「……わかりやすく、罠ですよね……?」
メイドたちに内容を伝えると、呆れたような顔をしていた。そして、ほんの少し不安そうに瞳を揺らしているのを見て、アナベルは必死に思考を巡らせる。
「……受け入れましょう、その人を」
「ええっ!?」
「ほ、本気ですか……?」
大袈裟なほど目を見開いて声を上げるメイド、怯えたように震えるメイド、様々な反応を示した。
「だぁって、敵側からやってきてくれるのよ? これはある意味、チャンスではないかしら?」
「あ、アナベルさま……」