【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「――王妃陛下の侍女……。どのような女性が来るのか、わかりませんね……」
手紙の内容をかいつまんで話すアナベル。
内容を理解すると、ロマーヌは額に手を当て、やれやれとばかりに頭を振る。
「わたくし、その侍女を受け入れるつもりです」
「……その理由を尋ねても?」
「その侍女はきっと、わたくしを狙うでしょう。ですが、わたくしには切り札がございます。わたくしの身はそう簡単に崩れたりしないということを、王妃イレインに示すため」
アナベルはまっすぐに、意志の強い瞳をロマーヌに向けている。彼女はその瞳を見て、アナベルとミシェルの姿が重なった。
(姿かたちは違えども、ミシェルの意志はあなたが継いだのね……)
「……それに、その侍女を保護したいのです。王妃側にいるよりも、こちらについたほうが安全だと、知ってほしい。……わたくしの身を崩せなければ、王妃イレインは……」
――その侍女を亡き者にするだろう。
言外にそう語るアナベルに、ロマーヌは目元を細める。
「……心底王妃側の女性かもしれませんよ」
「……構いませんわ。そのときは、わたくしの魅力で落とすまで」
胸元に手を当てて、自信満々に言い切るアナベルに、ロマーヌは目を丸くして……それから思わずというように微笑んだ。
手紙の内容をかいつまんで話すアナベル。
内容を理解すると、ロマーヌは額に手を当て、やれやれとばかりに頭を振る。
「わたくし、その侍女を受け入れるつもりです」
「……その理由を尋ねても?」
「その侍女はきっと、わたくしを狙うでしょう。ですが、わたくしには切り札がございます。わたくしの身はそう簡単に崩れたりしないということを、王妃イレインに示すため」
アナベルはまっすぐに、意志の強い瞳をロマーヌに向けている。彼女はその瞳を見て、アナベルとミシェルの姿が重なった。
(姿かたちは違えども、ミシェルの意志はあなたが継いだのね……)
「……それに、その侍女を保護したいのです。王妃側にいるよりも、こちらについたほうが安全だと、知ってほしい。……わたくしの身を崩せなければ、王妃イレインは……」
――その侍女を亡き者にするだろう。
言外にそう語るアナベルに、ロマーヌは目元を細める。
「……心底王妃側の女性かもしれませんよ」
「……構いませんわ。そのときは、わたくしの魅力で落とすまで」
胸元に手を当てて、自信満々に言い切るアナベルに、ロマーヌは目を丸くして……それから思わずというように微笑んだ。