【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
(――エルヴィス陛下は、面白い女性を連れてきたものね――……)
ともに昼食を摂り、そのあとお茶を飲んで穏やかな時間を過ごし、再びロマーヌにいろいろなことを学ぶ。
夜に自室へ戻ると、アナベルはベッドに座って小さく肩をすくめた。
肩に手を置いて、揉んでみる。
剣の稽古を始めてからまだそんなに経っていないというのに、肩が凝っていた。
(……今日はエルヴィス陛下、いらっしゃるかしら?)
ちらりと扉のほうに視線を移し、エルヴィスの姿を思い浮かべると、アナベルはかぁっと頬を赤らめる。
(……いつになったら、慣れるのかしら……)
両手で頬を包み込みように添えると、扉がノックされた。
「はい、どうぞ」
「アナベルさま、王妃陛下からです……」
「ええ……?」
まさかこんなに早く二通目が届くとは思わなくて、アナベルは目を瞬かせる。
手紙の内容を確認すると、アナベルは目元を細めた。
「……コラリーさまの夜会っていつでしたっけ?」
「二週間後、ですね」
「でしたら、華々しくわたくしの侍女としてデビューしてもらいましょう」
アナベルは視線を落として、じぃっと手紙を見つめる。
「デビュー?」
「ええ、夜会に連れていこうと考えていますの」
「え、……その、彼女を、ですか?」
アナベルはメイドと視線を合わせて、ゆっくりと首を縦に動かした。
ともに昼食を摂り、そのあとお茶を飲んで穏やかな時間を過ごし、再びロマーヌにいろいろなことを学ぶ。
夜に自室へ戻ると、アナベルはベッドに座って小さく肩をすくめた。
肩に手を置いて、揉んでみる。
剣の稽古を始めてからまだそんなに経っていないというのに、肩が凝っていた。
(……今日はエルヴィス陛下、いらっしゃるかしら?)
ちらりと扉のほうに視線を移し、エルヴィスの姿を思い浮かべると、アナベルはかぁっと頬を赤らめる。
(……いつになったら、慣れるのかしら……)
両手で頬を包み込みように添えると、扉がノックされた。
「はい、どうぞ」
「アナベルさま、王妃陛下からです……」
「ええ……?」
まさかこんなに早く二通目が届くとは思わなくて、アナベルは目を瞬かせる。
手紙の内容を確認すると、アナベルは目元を細めた。
「……コラリーさまの夜会っていつでしたっけ?」
「二週間後、ですね」
「でしたら、華々しくわたくしの侍女としてデビューしてもらいましょう」
アナベルは視線を落として、じぃっと手紙を見つめる。
「デビュー?」
「ええ、夜会に連れていこうと考えていますの」
「え、……その、彼女を、ですか?」
アナベルはメイドと視線を合わせて、ゆっくりと首を縦に動かした。