【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
寵姫 アナベル 13話
「ええ、大々的にデビューさせちゃいましょう。それから、わたくしの護衛たちも」
「……では、張り切って準備をしないといけませんね」
メイドの瞳の奥が燃えている。
やる気を出しているのを見て、アナベルは首をかしげた。
「そんなに楽しみ?」
「ええ、そりゃあもう。カルメ伯爵夫人からお聞きしました。あの娼館から、アナベルさまに劣らない美女がくると……! 燃えてきましたわ……!」
彼女に背中に燃え上がる炎が見えそうだ。アナベルは「頼もしいですわ」と穏やかに笑う。
「それでは、仲間たちと相談してきます。おやすみなさいませ、アナベルさま」
「おやすみなさい」
ぺこりと頭を下げてから出ていくメイドに、軽く手を振りながら見送る。扉が閉まる音が聞こえ、ごろりとベッドに寝転んだ。
「……いったいどういう子がくるのか、楽しみのような、不安のような……。まぁ、やれることをやるだけ、よね」
アナベルはそうつぶやくと目を閉じる。
気が付いたら、そのまま眠っていた。
執事やメイドたちも夢の世界に旅立った深夜に、キィと静かな音を立てて扉が開く。足音を立てないようにゆっくりと近付いてくる人影が一つ。
「……さすがに、もう寝ているか……」
ぽつりとこぼれた声は、エルヴィスのものだった。
「……では、張り切って準備をしないといけませんね」
メイドの瞳の奥が燃えている。
やる気を出しているのを見て、アナベルは首をかしげた。
「そんなに楽しみ?」
「ええ、そりゃあもう。カルメ伯爵夫人からお聞きしました。あの娼館から、アナベルさまに劣らない美女がくると……! 燃えてきましたわ……!」
彼女に背中に燃え上がる炎が見えそうだ。アナベルは「頼もしいですわ」と穏やかに笑う。
「それでは、仲間たちと相談してきます。おやすみなさいませ、アナベルさま」
「おやすみなさい」
ぺこりと頭を下げてから出ていくメイドに、軽く手を振りながら見送る。扉が閉まる音が聞こえ、ごろりとベッドに寝転んだ。
「……いったいどういう子がくるのか、楽しみのような、不安のような……。まぁ、やれることをやるだけ、よね」
アナベルはそうつぶやくと目を閉じる。
気が付いたら、そのまま眠っていた。
執事やメイドたちも夢の世界に旅立った深夜に、キィと静かな音を立てて扉が開く。足音を立てないようにゆっくりと近付いてくる人影が一つ。
「……さすがに、もう寝ているか……」
ぽつりとこぼれた声は、エルヴィスのものだった。