【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
翌朝、アナベルは身動きができないことに気付いて、目が覚めた。
視界に入ったエルヴィスに、びっくりして身体が硬直する。
「え、エルヴィス陛下……?」
自分が抱きしめられていることに気付くと、アナベルは顔を赤らめて声をかけた。
すると、エルヴィスがゆっくりと目を開けて、彼女の顔を愛しそうなまなざしで見つめる。
「きみの顔を見ると、なんだかホッとするな」
「……え?」
エルヴィスは静かにアナベルから離れて起き上がる。続くように彼女も起き上がった。
「……深夜の、本物の陛下だったのですね。すみません、寝ぼけていたみたいで……」
「いや、ただ顔を見にきただけだったんだ。だが、ベルが可愛いことを言うから、一緒に眠ってしまった」
可愛いこと? とアナベルが考えて、ぼっと顔を真っ赤にさせた。
それを隠すように顔を覆うと、エルヴィスがくすくすと笑う。
「寂しい思いはこれからもさせるだろう……許してくれるか?」
「もちろんですわ、エルヴィス陛下」
心を落ち着かせるように深呼吸を繰り返してから、胸元に手を置いてうなずいた。
エルヴィスは彼女の髪にちゅっと軽く口付けると、ベッドから抜けて「それでは、仕事に行ってくる」とアナベルの部屋から去っていく。
「……し、心臓に悪いわ……」
ドキドキと高鳴る鼓動。アナベルは少し困ったように息を吐いて、それから再び深呼吸を繰り返した。
視界に入ったエルヴィスに、びっくりして身体が硬直する。
「え、エルヴィス陛下……?」
自分が抱きしめられていることに気付くと、アナベルは顔を赤らめて声をかけた。
すると、エルヴィスがゆっくりと目を開けて、彼女の顔を愛しそうなまなざしで見つめる。
「きみの顔を見ると、なんだかホッとするな」
「……え?」
エルヴィスは静かにアナベルから離れて起き上がる。続くように彼女も起き上がった。
「……深夜の、本物の陛下だったのですね。すみません、寝ぼけていたみたいで……」
「いや、ただ顔を見にきただけだったんだ。だが、ベルが可愛いことを言うから、一緒に眠ってしまった」
可愛いこと? とアナベルが考えて、ぼっと顔を真っ赤にさせた。
それを隠すように顔を覆うと、エルヴィスがくすくすと笑う。
「寂しい思いはこれからもさせるだろう……許してくれるか?」
「もちろんですわ、エルヴィス陛下」
心を落ち着かせるように深呼吸を繰り返してから、胸元に手を置いてうなずいた。
エルヴィスは彼女の髪にちゅっと軽く口付けると、ベッドから抜けて「それでは、仕事に行ってくる」とアナベルの部屋から去っていく。
「……し、心臓に悪いわ……」
ドキドキと高鳴る鼓動。アナベルは少し困ったように息を吐いて、それから再び深呼吸を繰り返した。