【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「王都にこれだけ美しい人が揃うとは……」
ダヴィドの言葉に、アナベルは扇子を広げ口元を隠す。
「美しいでしょう? 彼女たちもわたくしの侍女ですの」
「へえ、それはぜひとも仲良くしたいね」
パチンとウインクするダヴィドに、アナベルは「うふふ」と声を出して笑った。
「それは、ダヴィドさま次第ですわ」
「それじゃあ、がんばってしまおうかな?」
ちらりとダヴィドが狙いを定めるかのように、彼女たちに視線を巡らせる。
すると、後ろから声がかかった。
「――デュナン公爵、相変わらず女性に目がないようですわね?」
「おっと、コラリー嬢。本日は招待してくれてありがとう」
背後にコラリーが、どこか呆れたように腰に手を添えて立っていた。
くるりと向きを変えて、ダヴィドは自分の胸に手を置いて彼女に挨拶する。
「ごきげんよう、アナベルさま。今日は楽しんでいってくださいね。……ダヴィドさまも」
「ありがとうございます、コラリーさま。たくさん楽しませていただきますわ」
「あれ、もしかしてついで扱い?」
ダヴィドが「まいったなぁ」と、まったくまいっていない顔で笑った。それにつられて、アナベルたちも口元を隠して笑う。
初めての夜会は、様々な視線を集めたが、案外楽しい時間を過ごせた。
ダヴィドの言葉に、アナベルは扇子を広げ口元を隠す。
「美しいでしょう? 彼女たちもわたくしの侍女ですの」
「へえ、それはぜひとも仲良くしたいね」
パチンとウインクするダヴィドに、アナベルは「うふふ」と声を出して笑った。
「それは、ダヴィドさま次第ですわ」
「それじゃあ、がんばってしまおうかな?」
ちらりとダヴィドが狙いを定めるかのように、彼女たちに視線を巡らせる。
すると、後ろから声がかかった。
「――デュナン公爵、相変わらず女性に目がないようですわね?」
「おっと、コラリー嬢。本日は招待してくれてありがとう」
背後にコラリーが、どこか呆れたように腰に手を添えて立っていた。
くるりと向きを変えて、ダヴィドは自分の胸に手を置いて彼女に挨拶する。
「ごきげんよう、アナベルさま。今日は楽しんでいってくださいね。……ダヴィドさまも」
「ありがとうございます、コラリーさま。たくさん楽しませていただきますわ」
「あれ、もしかしてついで扱い?」
ダヴィドが「まいったなぁ」と、まったくまいっていない顔で笑った。それにつられて、アナベルたちも口元を隠して笑う。
初めての夜会は、様々な視線を集めたが、案外楽しい時間を過ごせた。