【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「コラリー嬢、アナベルたちが世話になった」
「いいえ、エルヴィス陛下。……どうぞ、良い夜を」
「……ああ」
コラリーが扇子を広げて微笑む。そして、意味深に言葉を放つと、エルヴィスは一瞬目を瞬かせ、それからぐっとアナベルの細い腰に手を回してうなずいた。
エルヴィスはアナベルの腰を抱いたまま歩き、アナベルはエルヴィスを見上げて微笑みを浮かべる。
会場をあとにすると、アナベルはエルヴィスの乗ってきた馬車へ。ロクサーヌたちは最初に乗ってきた馬車に乗り込む。
馬車の扉が閉まり、御者が馬を走らせるのと同時に、エルヴィスがじっとアナベルを見つめた。
「どうしました?」
「……いや、随分と扇情的な格好だな、と」
「男性の視線も女性の視線も感じましたわ。うふふ」
ダンス中でさえ、その視線を感じた。そのことを話すと、エルヴィスは面白くなさそうに仏頂面になったので、アナベルはくすくすと笑った。
「……イレインがよこした侍女は、動き出しそうか?」
「ええ、おそらく。いろいろと屈辱も感じたでしょうし、ね」
「一気に片付けるか」
「ええ。……そのために、彼女たちを雇ったのですもの」
二人は顔を近付けて、視線を絡め合いながら言葉を交わす。
宮殿に戻ると、メイドたちが「準備はできております」とアナベルたちに声をかけた。
「ロクサーヌ、イネス、カミーユ。それから、マルト。食堂まで一緒にいきましょう?」
四人に向けてとびきりの笑顔を見せるアナベル。エルヴィスと腕を組んで、ロクサーヌたちと一緒に食堂まで歩いていく。
「いいえ、エルヴィス陛下。……どうぞ、良い夜を」
「……ああ」
コラリーが扇子を広げて微笑む。そして、意味深に言葉を放つと、エルヴィスは一瞬目を瞬かせ、それからぐっとアナベルの細い腰に手を回してうなずいた。
エルヴィスはアナベルの腰を抱いたまま歩き、アナベルはエルヴィスを見上げて微笑みを浮かべる。
会場をあとにすると、アナベルはエルヴィスの乗ってきた馬車へ。ロクサーヌたちは最初に乗ってきた馬車に乗り込む。
馬車の扉が閉まり、御者が馬を走らせるのと同時に、エルヴィスがじっとアナベルを見つめた。
「どうしました?」
「……いや、随分と扇情的な格好だな、と」
「男性の視線も女性の視線も感じましたわ。うふふ」
ダンス中でさえ、その視線を感じた。そのことを話すと、エルヴィスは面白くなさそうに仏頂面になったので、アナベルはくすくすと笑った。
「……イレインがよこした侍女は、動き出しそうか?」
「ええ、おそらく。いろいろと屈辱も感じたでしょうし、ね」
「一気に片付けるか」
「ええ。……そのために、彼女たちを雇ったのですもの」
二人は顔を近付けて、視線を絡め合いながら言葉を交わす。
宮殿に戻ると、メイドたちが「準備はできております」とアナベルたちに声をかけた。
「ロクサーヌ、イネス、カミーユ。それから、マルト。食堂まで一緒にいきましょう?」
四人に向けてとびきりの笑顔を見せるアナベル。エルヴィスと腕を組んで、ロクサーヌたちと一緒に食堂まで歩いていく。