【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
◆◆◆
捕らえられたイレインは、地下牢に入れられた。王妃が地下牢に入れられるのは、レアルテキ王国の歴史で初めてのことだ。
そんな彼女のもとに、両親が現れる。
「お父さま! お母さま!」
カシャンと牢の鉄格子を掴み、イレインが泣きそうな表情で両親を呼んだ。そんな娘を見たイレインの両親は冷たい瞳を彼女に向ける。
いつも愛情に満ちたまなざしを向けられていたイレインは、そんな瞳を向けられたことに「お父さま……?」と弱々しく声をかけた。
「バカ娘が……」
「浮気だなんて、なにを考えているの!」
「……え?」
両親の口から出た言葉に、イレインは身体を硬直させる。
「すべて、エルヴィス陛下から聞いた。そして、その証拠も見せてもらった。……私がお前に言ったことを、まったく理解してなかったのだな」
「バカな子……。あんなに派手にやれなんて、言っていないじゃない」
二人から投げかけられる言葉に、イレインは耳を疑った。いつだって自分を優先し、甘やかしていた両親の言葉だとは思えなかった。
「どうして、そんなことを言うの……? エルヴィスが私を罠にはめたのよ!」
「あの舞踏会には王侯貴族がいたのだぞ!? そんな中でお前の悪行が知れ渡り、お前の評判は地に落ちたも同然! 我らは、エルヴィス陛下から『無傷でいられるとは思うな』と忠告されたのだぞ!」
「そこで、わたくしたちはあなたとの縁を切ることにしました」
イレインはその場に崩れ落ちた。両親が自分を助けるつもりがないことを、知ったから。
「どうして……?」
「ここまで派手にバラされては、もうお前が助かることはないだろう。陛下は、お前の死をお望みだ」
「……ッ!」
イレインが絶望の表情を浮かべた。
捕らえられたイレインは、地下牢に入れられた。王妃が地下牢に入れられるのは、レアルテキ王国の歴史で初めてのことだ。
そんな彼女のもとに、両親が現れる。
「お父さま! お母さま!」
カシャンと牢の鉄格子を掴み、イレインが泣きそうな表情で両親を呼んだ。そんな娘を見たイレインの両親は冷たい瞳を彼女に向ける。
いつも愛情に満ちたまなざしを向けられていたイレインは、そんな瞳を向けられたことに「お父さま……?」と弱々しく声をかけた。
「バカ娘が……」
「浮気だなんて、なにを考えているの!」
「……え?」
両親の口から出た言葉に、イレインは身体を硬直させる。
「すべて、エルヴィス陛下から聞いた。そして、その証拠も見せてもらった。……私がお前に言ったことを、まったく理解してなかったのだな」
「バカな子……。あんなに派手にやれなんて、言っていないじゃない」
二人から投げかけられる言葉に、イレインは耳を疑った。いつだって自分を優先し、甘やかしていた両親の言葉だとは思えなかった。
「どうして、そんなことを言うの……? エルヴィスが私を罠にはめたのよ!」
「あの舞踏会には王侯貴族がいたのだぞ!? そんな中でお前の悪行が知れ渡り、お前の評判は地に落ちたも同然! 我らは、エルヴィス陛下から『無傷でいられるとは思うな』と忠告されたのだぞ!」
「そこで、わたくしたちはあなたとの縁を切ることにしました」
イレインはその場に崩れ落ちた。両親が自分を助けるつもりがないことを、知ったから。
「どうして……?」
「ここまで派手にバラされては、もうお前が助かることはないだろう。陛下は、お前の死をお望みだ」
「……ッ!」
イレインが絶望の表情を浮かべた。