【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。

踊り子 アナベル 7話

 その日から、一座の座員はアナベルにいろいろなことを教え始める。

 いろいろな芸を見せて、アナベルが一番気に入ったものを中心に教えることになり、彼女はミシェルが見せてくれた剣舞を選んだ。

 他にも様々な世渡り方法を教えてもらったり、料理を教わったり、魔法の使い方も教わる日々が続く。

 特に、ミシェルは熱心に教えてくれた。厳しいときもあったが、裏を返せばそれだけアナベルに期待していることだ。

「……今日もくたくたになるまでやっちゃったぁ……。アナベルちゃん、あたしのこと嫌いになってないと良いけど……」
「だったら、どうしてあんなに厳しく教えているんだ?」
「だぁって、あの子の目、なにかに囚われたままなんだものぉ。せっかくあんなに可愛いのに、もったいないじゃなぁい? 身体を動かすことで、少しでも発散できたらなぁって思っていたんだけど……」
「まぁ、あの年齢じゃ身体を動かすくらいでしか、発散できないか」
「大人になれば、もーっと良い方法があるんだけどねぇ? 気持ち良くて真っ白になっちゃう、発散方法が……」

 ぎゅっとクレマンの腕に、自分の胸を押し当てるようにぴたりと寄り添うミシェルに、彼はくしゃくしゃと彼女の頭を撫でる。

 ミシェルはムッとしたように唇を尖らせて、クレマンの手を掴んだ。

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