【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
ミシェルと交わした『初めては素敵な人と』という約束を守っているのだ。残念ながら、旅芸人として各地を巡っていても、どの人が素敵なのかアナベルにはわからなかったのだけど。なので、彼女はまだそれがどういう行為なのかもわからない。どういうふうに感じるかも。
(まぁ、魔法で済むならそれでも良いような……)
そんなことを考えながら、男性が目覚めるのを待っていた。
しばらくして男性が目覚めて、アナベルにお礼を伝えてからテントを出ていく。
夢から覚めたあとも、少しのあいだ魔法は続いていて、夢と現実の境目にいる男性は大体大人しく帰ってくれるのだ。
「お仕事おしまいっと」
ベッドから抜け出て、うーんと身体を伸ばす。
明日からまた旅が始まるのだから、今のうちに休んでおいたほうが良さそうだと軽く柔軟をしながら考えていると、アナベルのテントに誰かが入ってきた。
「すみません、本日はもう終わり――……」
そう言いかけて、言葉を失う。
入ってきたのは男性だ。どこかで見覚えのある美形の男性。
アナベルの存在に気付いた男性は、「すまない、匿ってくれ」と隠れる場所を探していたようだ。
「……それならベッドにお入り、早く!」
男性を急かすようにベッドに入れて、アナベルは自分もベッドに寝転ぶ。
彼を隠すようにぎゅっと抱きしめると、足音が聞こえてきた。
(まぁ、魔法で済むならそれでも良いような……)
そんなことを考えながら、男性が目覚めるのを待っていた。
しばらくして男性が目覚めて、アナベルにお礼を伝えてからテントを出ていく。
夢から覚めたあとも、少しのあいだ魔法は続いていて、夢と現実の境目にいる男性は大体大人しく帰ってくれるのだ。
「お仕事おしまいっと」
ベッドから抜け出て、うーんと身体を伸ばす。
明日からまた旅が始まるのだから、今のうちに休んでおいたほうが良さそうだと軽く柔軟をしながら考えていると、アナベルのテントに誰かが入ってきた。
「すみません、本日はもう終わり――……」
そう言いかけて、言葉を失う。
入ってきたのは男性だ。どこかで見覚えのある美形の男性。
アナベルの存在に気付いた男性は、「すまない、匿ってくれ」と隠れる場所を探していたようだ。
「……それならベッドにお入り、早く!」
男性を急かすようにベッドに入れて、アナベルは自分もベッドに寝転ぶ。
彼を隠すようにぎゅっと抱きしめると、足音が聞こえてきた。