【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「いたか?」
「いや、こっちにはいない」
と、声が耳に届く。
近付いてくる足音に、アナベルの鼓動が早くなった。
「テントに隠れたか……? すまない、誰かいるだろうか?」
「……こんな時間になんの用だい?」
テントの外から声をかけられて、アナベルはドキドキと早鐘を打ちながら平然を装い、言葉を返す。
ぽんぽんと彼の背中を叩いてから、ベッドを抜け出してわざとバスタオルを緩ませ、豊満なバストの谷間を強調するようにしてから、テントの外にいる人物に近付いた。
「もう、今……良いところだったのに……」
「も、申し訳ない。その、黒髪で青目の男性を見かけなかったか?」
「いいえ? あたし、お客さんとテントにいたの。……なにかあったの?」
「あ、いや、大したことじゃないんだ。その、本当にすまなかった」
女慣れしていない人だったのか、そのまま走り去ってしまった。アナベルが肩をすくめてベッドに戻ると、さっきまで横になっていた男性が起き上がる。
「追われているの?」
「……いや、そういうわけではないのだが、一人になりたくて。ところで、どうして私を助けた?」
「……いやだって、そんな捨てられた子犬のような目をされたら……」
「いや、こっちにはいない」
と、声が耳に届く。
近付いてくる足音に、アナベルの鼓動が早くなった。
「テントに隠れたか……? すまない、誰かいるだろうか?」
「……こんな時間になんの用だい?」
テントの外から声をかけられて、アナベルはドキドキと早鐘を打ちながら平然を装い、言葉を返す。
ぽんぽんと彼の背中を叩いてから、ベッドを抜け出してわざとバスタオルを緩ませ、豊満なバストの谷間を強調するようにしてから、テントの外にいる人物に近付いた。
「もう、今……良いところだったのに……」
「も、申し訳ない。その、黒髪で青目の男性を見かけなかったか?」
「いいえ? あたし、お客さんとテントにいたの。……なにかあったの?」
「あ、いや、大したことじゃないんだ。その、本当にすまなかった」
女慣れしていない人だったのか、そのまま走り去ってしまった。アナベルが肩をすくめてベッドに戻ると、さっきまで横になっていた男性が起き上がる。
「追われているの?」
「……いや、そういうわけではないのだが、一人になりたくて。ところで、どうして私を助けた?」
「……いやだって、そんな捨てられた子犬のような目をされたら……」