【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
そんなとき、国王陛下が視察に訪れるという噂が流れて、村はその話題で持ち切りになる。
国王陛下がこんな田舎まで、わざわざ視察に訪れるということが珍しかったからだ。
陛下が訪れるまでのあいだに、村を少しでもよくしようと村人たちは道をきれいにしたり、いつも以上に仕事をがんばったりと準備を整える。
お祭り騒ぎになっていたが、幼いアナベルにはそのことがとても不思議で、首をかしげていた。
そして、ついに国王陛下が村まで視察に訪れる。
王族が乗る豪華な馬車を見たとき、アナベルはまぶしいものを見るように目を細めた。あまりにも、キラキラとしていたからだ。
村人全員が、国王陛下の姿をこの目に収めようと馬車の周りに集まり、護衛の騎士が厳かに馬車の扉を開ける。
――そこにいたのは、アナベルよりも少し年上そうに見える少年と、鮮血のような赤い口紅をした十五歳ほどの少女だった。
ぱちっと少年と視線が合ったアナベルは、慌てて母親の後ろに隠れる。
どうやら、彼が国王陛下のようだ。
国王陛下がこんな田舎まで、わざわざ視察に訪れるということが珍しかったからだ。
陛下が訪れるまでのあいだに、村を少しでもよくしようと村人たちは道をきれいにしたり、いつも以上に仕事をがんばったりと準備を整える。
お祭り騒ぎになっていたが、幼いアナベルにはそのことがとても不思議で、首をかしげていた。
そして、ついに国王陛下が村まで視察に訪れる。
王族が乗る豪華な馬車を見たとき、アナベルはまぶしいものを見るように目を細めた。あまりにも、キラキラとしていたからだ。
村人全員が、国王陛下の姿をこの目に収めようと馬車の周りに集まり、護衛の騎士が厳かに馬車の扉を開ける。
――そこにいたのは、アナベルよりも少し年上そうに見える少年と、鮮血のような赤い口紅をした十五歳ほどの少女だった。
ぱちっと少年と視線が合ったアナベルは、慌てて母親の後ろに隠れる。
どうやら、彼が国王陛下のようだ。