【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
アナベルを休ませるために、エルヴィスとクレマンはテントから出る。
人気のない場所で情報交換を始め、それをアナベルが知ることになったのは、翌日だった。
――目が覚めたアナベルは、昨日のことを思い出し、ハッとしたようにベッドから跳ね起きた。それと同時に声をかけられる。
「おはよう、アナベル。目が覚めたか」
「座長……。あれ、あの人は?」
「オレのテントで休んでもらった。まだいると思うぞ」
「……そう。……昨日のこと、夢ではないのね……」
「……ああ。しっかし、まさかこんなところで会うとは思わなかった。護衛のヤツ、かなり大変そうだったぞ~」
「護衛?」
「そりゃ連れているだろう。陛下になにかあったら大変だからな」
それじゃあ、とアナベルは額に手を置いた。
エルヴィスは護衛から逃げ回っていたということか、と重く息を吐くとクレマンが肩をすくめる。
「とりあえず、陛下も一緒に行動することになった。護衛たちも一緒にだ」
「ええ、良いの、それ……?」
「ああ。どうせ向かう場所は王都ティオールだからな。恩は売れるときに売っておけ、がオレのモットーだ」
クレマンは両腰に手を置いて、豪快に笑った。
アナベルは「そう」と呆れたような視線を彼に向けた。とりあえず、身支度を整えないといけない。
ベッドから抜け出すと、クレマンが「またあとでな」とアナベルのテントから出ていった。彼女は一度大きく深呼吸をしてから、身支度を整えた。
人気のない場所で情報交換を始め、それをアナベルが知ることになったのは、翌日だった。
――目が覚めたアナベルは、昨日のことを思い出し、ハッとしたようにベッドから跳ね起きた。それと同時に声をかけられる。
「おはよう、アナベル。目が覚めたか」
「座長……。あれ、あの人は?」
「オレのテントで休んでもらった。まだいると思うぞ」
「……そう。……昨日のこと、夢ではないのね……」
「……ああ。しっかし、まさかこんなところで会うとは思わなかった。護衛のヤツ、かなり大変そうだったぞ~」
「護衛?」
「そりゃ連れているだろう。陛下になにかあったら大変だからな」
それじゃあ、とアナベルは額に手を置いた。
エルヴィスは護衛から逃げ回っていたということか、と重く息を吐くとクレマンが肩をすくめる。
「とりあえず、陛下も一緒に行動することになった。護衛たちも一緒にだ」
「ええ、良いの、それ……?」
「ああ。どうせ向かう場所は王都ティオールだからな。恩は売れるときに売っておけ、がオレのモットーだ」
クレマンは両腰に手を置いて、豪快に笑った。
アナベルは「そう」と呆れたような視線を彼に向けた。とりあえず、身支度を整えないといけない。
ベッドから抜け出すと、クレマンが「またあとでな」とアナベルのテントから出ていった。彼女は一度大きく深呼吸をしてから、身支度を整えた。