【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
アナベルは自分の感情を落ち着かせるために何度も深呼吸を繰り返してから、クレマンのテントを出たところで、中の一人に声をかけられた。
「おはよう、アナベル。よく眠れたか?」
「おはよう、よく眠れたよ」
「……ん? なんか目が腫れぼったいけど、どうした?」
「えっ? あー、どうしたんだろ、懐かしい夢でも見ちゃったのかな?」
慌てたように目元を擦るアナベルに、「ミシェルの夢でも見たのか?」と尋ねられたが、「夢の内容なんて覚えてないよ」と両肩を上げる。
そのうちにみんなが起き始め、それぞれ朝食の支度をし始めたときに、クレマンがエルヴィスを連れてきた。護衛の人たちも一緒に。
「あー、首都ティオールまで、この人たちも一緒に行くことになった。悪いが、よろしく頼む」
「やだー、すっごく格好良い人たちじゃない?」
「本当、なんだか女慣れしていない人もいそうね、可愛い~」
「おお、こわ……。喰われないといいけど、あの人たち」
そんな声が上がっていたが、エルヴィスはじっとアナベルを見つめていた。
朝食を食べ終えてから、エルヴィスはアナベルに近付いてきた。昨夜、彼女が追い払った護衛を連れて。
「……昨日は本当に申し訳ないことを……」
「気にしないで。あなた……彼の護衛って聞いたけれど、女性慣れしていないようね? あなたのような人は、うちの女性陣にモテると思うから、気をつけたほうが良いわよ?」
「えっ? 気をつけたほうが良いとは……?」
アナベルはつん、と彼の胸元を突いて、それから下に指を動かす。
つつーっとなぞられるような動きに、男性が身体を硬直させた。
「おはよう、アナベル。よく眠れたか?」
「おはよう、よく眠れたよ」
「……ん? なんか目が腫れぼったいけど、どうした?」
「えっ? あー、どうしたんだろ、懐かしい夢でも見ちゃったのかな?」
慌てたように目元を擦るアナベルに、「ミシェルの夢でも見たのか?」と尋ねられたが、「夢の内容なんて覚えてないよ」と両肩を上げる。
そのうちにみんなが起き始め、それぞれ朝食の支度をし始めたときに、クレマンがエルヴィスを連れてきた。護衛の人たちも一緒に。
「あー、首都ティオールまで、この人たちも一緒に行くことになった。悪いが、よろしく頼む」
「やだー、すっごく格好良い人たちじゃない?」
「本当、なんだか女慣れしていない人もいそうね、可愛い~」
「おお、こわ……。喰われないといいけど、あの人たち」
そんな声が上がっていたが、エルヴィスはじっとアナベルを見つめていた。
朝食を食べ終えてから、エルヴィスはアナベルに近付いてきた。昨夜、彼女が追い払った護衛を連れて。
「……昨日は本当に申し訳ないことを……」
「気にしないで。あなた……彼の護衛って聞いたけれど、女性慣れしていないようね? あなたのような人は、うちの女性陣にモテると思うから、気をつけたほうが良いわよ?」
「えっ? 気をつけたほうが良いとは……?」
アナベルはつん、と彼の胸元を突いて、それから下に指を動かす。
つつーっとなぞられるような動きに、男性が身体を硬直させた。