【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「あたし、ずっと本格的に剣を習ってみたかったの。ありがとう!」
目をキラキラと輝かせてエルヴィスを見上げるアナベル。
一座に拾われたあと、剣舞の他にも実戦の剣の使い方を教えてもらっていたが、一度も実戦で使ったことはない。
そしてなによりも、アナベルに剣を教えてくれた人物も『結構自己流』と言っていたので、ずっと本格的に剣術を学んでみたいと思っていたのだ。
「……そうか。ならばすぐにでも手配しよう」
アナベルの頭にぽんと手を置いて、優しい声で伝えられた言葉に、彼女は「うん!」と元気よく答える。
それから「アナベル~?」と呼ぶ声が聞こえて、彼女は剣を鞘に戻して「ありがとうございました」と頭を下げて護衛に剣を渡し、声のほうへと走っていった。
「……不思議な人ですね」
「ああ、城にはいないタイプだろう?」
「もとは平民、なんですよね? 本当に大丈夫なんですか?」
その場に残った三人は、アナベルのことについて話し出す。
「……大丈夫にするのが、我々の仕事でしょう」
「……王妃と全面対決だぞ。怖いに決まっているだろう……」
ひそひそと声を潜めながら話す護衛たちに、「聞こえるように言っているだろう」と呆れたように肩をすくめるエルヴィス。
そんなことを言いながらも、いつも自分の味方をしてくれていることを知っている彼は、護衛二人の肩に手を置いて微笑んだ。
「――頼りにしている。パトリック、レナルド」
「はい、陛下」
二人揃っての返事を聞き、満足そうにうなずくエルヴィス。
彼らもアナベルのあとを追うように歩き出した。
目をキラキラと輝かせてエルヴィスを見上げるアナベル。
一座に拾われたあと、剣舞の他にも実戦の剣の使い方を教えてもらっていたが、一度も実戦で使ったことはない。
そしてなによりも、アナベルに剣を教えてくれた人物も『結構自己流』と言っていたので、ずっと本格的に剣術を学んでみたいと思っていたのだ。
「……そうか。ならばすぐにでも手配しよう」
アナベルの頭にぽんと手を置いて、優しい声で伝えられた言葉に、彼女は「うん!」と元気よく答える。
それから「アナベル~?」と呼ぶ声が聞こえて、彼女は剣を鞘に戻して「ありがとうございました」と頭を下げて護衛に剣を渡し、声のほうへと走っていった。
「……不思議な人ですね」
「ああ、城にはいないタイプだろう?」
「もとは平民、なんですよね? 本当に大丈夫なんですか?」
その場に残った三人は、アナベルのことについて話し出す。
「……大丈夫にするのが、我々の仕事でしょう」
「……王妃と全面対決だぞ。怖いに決まっているだろう……」
ひそひそと声を潜めながら話す護衛たちに、「聞こえるように言っているだろう」と呆れたように肩をすくめるエルヴィス。
そんなことを言いながらも、いつも自分の味方をしてくれていることを知っている彼は、護衛二人の肩に手を置いて微笑んだ。
「――頼りにしている。パトリック、レナルド」
「はい、陛下」
二人揃っての返事を聞き、満足そうにうなずくエルヴィス。
彼らもアナベルのあとを追うように歩き出した。