【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
「――大成功、といっても良いかしら?」
「そうだな。今日パーティーに参加した貴族たちには、印象深いものになっただろう」
「はぁ~……、緊張した!」
パーティー会場から遠ざかり、二人きりになってからアナベルが問いかける。
エルヴィスがうなずいたのを見て彼から身体を離すと、ぐーっと伸びをした。
緊張で身体に力が入りすぎていたようで、やっと緊張の糸が切れてほっと安堵の息を吐く。
「それにしても、本当に美しいな」
「これ? 急いで作ってもらったのよ」
スカートの裾を持ち上げて、そのままくるりと回転してみせた。
ふわりと広がるスカートに、エルヴィスが感心したように拍手を送る。
「これをあの数日で? よく間に合ったな……」
「そりゃあ、旅をしていたもの。あたしだってほんの少し刺繍をしたけれど、剣舞の確認もあったから、ほとんど衣装係の人が作ってくれたんだけどね」
舞っていたときの高揚感を思い出して、アナベルの声が弾んだ。
「……エルヴィス陛下。あたしを次の舞台に上げてくれるのは、いつになりそう?」
「すぐにでも、と言いたいところだが、ダヴィドに頼んだ家庭教師から許可がもらえたら、になるな。アナベルには教養をつけてもらう」
「教養……」
「そうだ。マナーや貴族の立ち振る舞いを、完璧に覚えてもらわないといけないだろう」
「……それは……燃えるわね」
彼女の言葉が意外だったのか、エルヴィスは目を丸くして――ふっと表情を和らげた。
「そうだな。今日パーティーに参加した貴族たちには、印象深いものになっただろう」
「はぁ~……、緊張した!」
パーティー会場から遠ざかり、二人きりになってからアナベルが問いかける。
エルヴィスがうなずいたのを見て彼から身体を離すと、ぐーっと伸びをした。
緊張で身体に力が入りすぎていたようで、やっと緊張の糸が切れてほっと安堵の息を吐く。
「それにしても、本当に美しいな」
「これ? 急いで作ってもらったのよ」
スカートの裾を持ち上げて、そのままくるりと回転してみせた。
ふわりと広がるスカートに、エルヴィスが感心したように拍手を送る。
「これをあの数日で? よく間に合ったな……」
「そりゃあ、旅をしていたもの。あたしだってほんの少し刺繍をしたけれど、剣舞の確認もあったから、ほとんど衣装係の人が作ってくれたんだけどね」
舞っていたときの高揚感を思い出して、アナベルの声が弾んだ。
「……エルヴィス陛下。あたしを次の舞台に上げてくれるのは、いつになりそう?」
「すぐにでも、と言いたいところだが、ダヴィドに頼んだ家庭教師から許可がもらえたら、になるな。アナベルには教養をつけてもらう」
「教養……」
「そうだ。マナーや貴族の立ち振る舞いを、完璧に覚えてもらわないといけないだろう」
「……それは……燃えるわね」
彼女の言葉が意外だったのか、エルヴィスは目を丸くして――ふっと表情を和らげた。