Will you marry me?
先生に会ってみて予想と違ったのか、言いたい放題の父に呆れてしまう。初めは瑠菜を嫁がせようとしたのに。そうは思うが、瑠菜は「絶対よ!」と泣きわめいた。
そんな瑠奈をなだめたあと、、父は私をキッと睨みつけた。
「菜々子、早いところ結婚を取り付けて、うちの仕事をしてくれるように頼むんだ。お前はそれぐらいしか役に立たんだろ」
私の意志など聞く気がないことはわかっていたが、仕事を取り付けることしか頭にないのだとわかる。
今までもいろいろなものを諦めてきたが、結婚までこんな風に決まるなんて。

自嘲気味な笑みが零れ落ちそうになったところに、追い打ちをかけるように瑠奈が私の前に立ちはだかる。

「御曹司の気まぐれよ。お姉ちゃんのほうが都合がよさそうだから選ばれただけなんだから。いい気にならないことね」
「わかってる」

言われなくても彼もきっと父と同じで、結婚も政略的にするつもりだったのだろうし、うちとの縁が欲しかっただけに決まっている。

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