Will you marry me?
足を踏み入れると、三階まで吹き抜けている広い玄関、そして目の前にはらせん状の階段があった。
「あちらがリビングですが、まあ、仕事場でしょう」
まだここがどこだか理解が追いついていない私だが、階段を上がっていく桜庭さんに慌ててついていく。

二階に上がると、そこは日差しが降り注ぎ明るい雰囲気で、随所に絵が飾られていてとても素敵なスペースだ
そこから廊下を歩き、ひとつのドアを桜庭さんは開けた。

「謙太郎!」
三十畳はあるかもしれない。高い天井に大きなガラス窓。その向こうには広々としたテラスがあり、簡易的なキッチンも備わった部屋。
キッチンの近くにはダイニングテーブルがあり、その隣のスペースにはソファセットにローテーブル。そこだけでも普通の一軒家のリビングより広い。

この部屋のただ一つ違うことは、部屋の中心に大きなテーブルがあり、その上には何台ものパソコンや、デザインを書くためなのか、模造紙が広がっていた。

そして、そこにはその机に突っ伏して眠る先生の姿があった。

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