Will you marry me?
そこでようやく自分の置かれている状況がわかってくる。場所はさきほどまで本を読んでいたソファで間違いはない。しかし、体勢は全く違う。おとなしく座って読んでいたはずだったが、今は完全にクッションを頭に横になっている。それだけならよかった。

私が先生に掛けたブランケットが自分に掛けられていて、その中には先生が一緒に眠っている。抱き着いて温かいと感じていたものが先生だったのだ。

頬を撫でていたのは、先生のシャツだとわかる。
「どうして!!」
我に返って叫び声をあげた私は、慌てて先生から離れようとしたが、私の腰には先生の腕が回されていて身動きが取れない。
「眠かったから」
ふわっとあくびをして、髪を掻き揚げる彼。アンニュイな雰囲気を醸し出していて、咄嗟に視線を外した。
「待たせて悪かった、起こさないでいてくれたんだな」
今の状況を説明するつもりもなさそうで、ポンポンと子供にするように頭を撫でられ、驚きすぎて動けなくなってしまう。
目をパチパチする私を面白いものを見るように、彼は目を細める。

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