桜の下で僕の歌声を君に
一
「ねえ夢輝《ゆめき》、夢ってある?」
心地よい春の日の下校中、幼馴染の一ノ瀬結桜《ゆお》は突然聞いてきた。
「あるように見える?何もかもが平凡で、なにかに長けた才能もないのに。」
そう、僕...天沢夢輝は勉強も運動も平凡で趣味もない。加えて交流も苦手なため、友達もいない。毎日を適当に生きている。
こんな僕が夢を持っているわけがない。そんなこと結桜は知ってるはずだ。
頭にはてなを浮かべていると結桜は言った。
「まあ予想はしてた。けど一応確認をしたかったんだ。」
「確認?」
「一緒に歌手にならない?」
「...は?」
俺は思わず固まってしまった。
心地よい春の日の下校中、幼馴染の一ノ瀬結桜《ゆお》は突然聞いてきた。
「あるように見える?何もかもが平凡で、なにかに長けた才能もないのに。」
そう、僕...天沢夢輝は勉強も運動も平凡で趣味もない。加えて交流も苦手なため、友達もいない。毎日を適当に生きている。
こんな僕が夢を持っているわけがない。そんなこと結桜は知ってるはずだ。
頭にはてなを浮かべていると結桜は言った。
「まあ予想はしてた。けど一応確認をしたかったんだ。」
「確認?」
「一緒に歌手にならない?」
「...は?」
俺は思わず固まってしまった。
< 1 / 2 >