桜の下で僕の歌声を君に

「えっと...なんで?僕音痴だし、曲を作れるほど頭もよくないし....」

「そんなの練習していけばいいんだよ!完璧を求めなくていい。もし、やりたいっていう気持ちが少しでもあるなら、私にゆだねてほしい。お願い。」

結桜は周りの桜のように力強く、少し儚げに言ってきた。

正直言ってこのお願いに頷いてしまうのは怖い。確実に結桜の足を引っ張ってしまう。
でももし結桜が少しの希望と勇気をもって僕にぶつけてきてくれたのであれば、全力でそれを受け止めたい。
僕は覚悟を決めた。

「わかった、一緒に歌手になろう!」

満開の桜の下で僕たちは将来の約束を交わした。

その時の結桜の笑顔はどの桜よりも綺麗で、見惚れてしまった。
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