美形義兄×5! ~人間不信な姫の溺愛生活~
「あっ!やっと戻ってきたぁ!」
リビングに入った途端、葦零さんが私に気づいて寄ってくる。
抱きつこうと両手を広げたのを見て、私は反対側に避けた。
「そっけないなぁ・・・ま、これからが本番、ってね」
葦零さんは諦めたように席につき、私を促した。
「それにしても鈴蘭が初対面の子に優しくするなんてなぁ・・・一目惚れ?」
からかうような口調の葦零さんに苦笑した鈴兄がまぁね、と頷く。
「すごくいい子だからさ」
いい子、かぁ・・・全然そんな感じじゃないけどな。
「・・・さぁ、本題に入ろうか」
私たちの様子を見て、伊毬さんが真剣な顔をして口を開いた。
「あー・・・」
鈴兄も椅子に座り、私含め兄弟全員・・・6人が席に着く。
「これは雫宮に対しても質問なんだけど・・・」
伊毬さんは私を見つめて、好奇心いっぱいの目を向けられた。
「さっき会った2人の人は・・・だれ?」
「・・・言いましたよね。仲間です」
それはおそらく・・・いや、絶対殺夜と涙悪のコト。
詳しくは言えないから訊かれても答えはしない。
「ねぇ雫宮、教えて?」
鈴兄が首をかしげるものの、私は口を開かず鈴兄を見つめた。
「・・・駄目?俺でも?」
「・・・鈴兄でも、無理」
ふるふると首を振ると、視界の端で葦零さんがガタッと席を立った。
「鈴兄ってなに!ってかタメ口使ってない?案内の時間になにがあったの!!」
やっぱり言われるとは思っていた。
自意識過剰かもしれないけど、葦零さんは私のコトを気に入ってるんだと思う。
だから・・・言われるだろうな、ってコトと・・・。
「僕も『零兄』って呼んで!敬語使ったら怒るよ!」
・・・これを要求されることが分かっていたんだよね。
「じゃあ僕は『毬兄』だね」
「・・・『朔兄』?」
「・・・俺は『皇兄』か」
・・・うん、これも分かってた。
これで言われないほうが怖いよねって感じだったし。
「・・・おっと、話を戻そうか」
毬兄がゴホンと咳払いをしてまた私を見る。
「・・・どこで知り合ったの?」
「・・・夜に、ちょっと助けたら」
「夜・・・?もしかして雫宮、不良だったりする?」
「・・・微妙なトコ」
どちらかというと・・・不良の姫?
「・・・関連は、あるかな」
殺夜と涙悪は不良だから。
しかも総長と副総長っていう結構高い位の。
「・・・あ、夜は出掛けるから」
許可は取っておいた方がいいだろう。
「夜・・・?」
「・・・毎日夜から早朝まで、出かけてて」
「ふーん・・・じゃあ僕追いかけていい?」
夜の話をすると、零兄が訊いてきた。
「・・・撒いちゃうよ?」
首をかしげると、零兄は自信満々に頷いた。
「着いてくから!・・・で、言ってる場所がバレたらもう夜には出かけないで?」
「・・・撒かれなかったらね」
私は人を撒くのが得意だ。
ストーカー類が多いけど、たまにナンパから逃げたりもする。
「・・・イッコ訊いていい?」
朔兄が私を見て小さな声で言う。
無言でうなずくと、朔兄は祈るように口を開いた。
「もしかして会いに行くのって・・・今日会った男?」
「・・・殺夜と涙悪?・・・そう」
2人以外にも私を慕ってくれる下の子たちはいるし、私はヴィラーナのアジトか、メンバーの前でだけ笑える。
それはホントにキャラが代わるように、ニコニコ声を上げて笑ってるのだ。
「じゃあ夜が楽しみだなぁ・・・!」
零兄は撒かれない自信があるのか、ニッコリ笑って席を立ち、階段を上って行った。
リビングに入った途端、葦零さんが私に気づいて寄ってくる。
抱きつこうと両手を広げたのを見て、私は反対側に避けた。
「そっけないなぁ・・・ま、これからが本番、ってね」
葦零さんは諦めたように席につき、私を促した。
「それにしても鈴蘭が初対面の子に優しくするなんてなぁ・・・一目惚れ?」
からかうような口調の葦零さんに苦笑した鈴兄がまぁね、と頷く。
「すごくいい子だからさ」
いい子、かぁ・・・全然そんな感じじゃないけどな。
「・・・さぁ、本題に入ろうか」
私たちの様子を見て、伊毬さんが真剣な顔をして口を開いた。
「あー・・・」
鈴兄も椅子に座り、私含め兄弟全員・・・6人が席に着く。
「これは雫宮に対しても質問なんだけど・・・」
伊毬さんは私を見つめて、好奇心いっぱいの目を向けられた。
「さっき会った2人の人は・・・だれ?」
「・・・言いましたよね。仲間です」
それはおそらく・・・いや、絶対殺夜と涙悪のコト。
詳しくは言えないから訊かれても答えはしない。
「ねぇ雫宮、教えて?」
鈴兄が首をかしげるものの、私は口を開かず鈴兄を見つめた。
「・・・駄目?俺でも?」
「・・・鈴兄でも、無理」
ふるふると首を振ると、視界の端で葦零さんがガタッと席を立った。
「鈴兄ってなに!ってかタメ口使ってない?案内の時間になにがあったの!!」
やっぱり言われるとは思っていた。
自意識過剰かもしれないけど、葦零さんは私のコトを気に入ってるんだと思う。
だから・・・言われるだろうな、ってコトと・・・。
「僕も『零兄』って呼んで!敬語使ったら怒るよ!」
・・・これを要求されることが分かっていたんだよね。
「じゃあ僕は『毬兄』だね」
「・・・『朔兄』?」
「・・・俺は『皇兄』か」
・・・うん、これも分かってた。
これで言われないほうが怖いよねって感じだったし。
「・・・おっと、話を戻そうか」
毬兄がゴホンと咳払いをしてまた私を見る。
「・・・どこで知り合ったの?」
「・・・夜に、ちょっと助けたら」
「夜・・・?もしかして雫宮、不良だったりする?」
「・・・微妙なトコ」
どちらかというと・・・不良の姫?
「・・・関連は、あるかな」
殺夜と涙悪は不良だから。
しかも総長と副総長っていう結構高い位の。
「・・・あ、夜は出掛けるから」
許可は取っておいた方がいいだろう。
「夜・・・?」
「・・・毎日夜から早朝まで、出かけてて」
「ふーん・・・じゃあ僕追いかけていい?」
夜の話をすると、零兄が訊いてきた。
「・・・撒いちゃうよ?」
首をかしげると、零兄は自信満々に頷いた。
「着いてくから!・・・で、言ってる場所がバレたらもう夜には出かけないで?」
「・・・撒かれなかったらね」
私は人を撒くのが得意だ。
ストーカー類が多いけど、たまにナンパから逃げたりもする。
「・・・イッコ訊いていい?」
朔兄が私を見て小さな声で言う。
無言でうなずくと、朔兄は祈るように口を開いた。
「もしかして会いに行くのって・・・今日会った男?」
「・・・殺夜と涙悪?・・・そう」
2人以外にも私を慕ってくれる下の子たちはいるし、私はヴィラーナのアジトか、メンバーの前でだけ笑える。
それはホントにキャラが代わるように、ニコニコ声を上げて笑ってるのだ。
「じゃあ夜が楽しみだなぁ・・・!」
零兄は撒かれない自信があるのか、ニッコリ笑って席を立ち、階段を上って行った。