幸せを噛み締める私たちは

君が世界一

氷室蓮side

「え、ガチで入るの、、?」

桜も散り夏1歩手前の陽気の中

今俺たちはお化け屋敷の前に立っている

こうなったのは遡ること数分前

「男子たちいたー!」

舞さんが元気よくこっちに来る

「早速入場したいところなんだけど、、」

「えっと、まず、私基本的にタメで。あと、さん付けはやめてね。名前はくん付けか呼び捨てでいくけど大丈夫?」

「あっ、はい」

「はーいじゃあーレッツゴー!!」

と、まぁこんな感じで半ば強制的に敬語を外され

今に至る

「蓮くん怖いの〜?」

「龍星、足震えてんぞ」

「次の方どうぞ〜」

入口の前に立つ

「待って舞怖いかも。ねぇ龍星くんも怖いよね!?」

お化け屋敷とか行ったことないから分かんないけど香澄さんが怖がってるリアクションは見たい

「い、いや俺怖くねぇーし」

「だから強がんなって」

「はいはい、あんまギャーギャー騒がないの舞は」

無理矢理、龍星を中に入れると視界が真っ暗になる

「やっぱ無理ー、、瑠夏助けて〜、、」

「舞頑張ってー」

ぞろぞろと前に進んでいくと分かれ道になる

「これ、どっちに行くのが正解なのかしら?」

右と左どちらも真っ暗で先が見えない

「んー、、月はどっちがいいと思う?」

「どうせ、どっちいったって怖いに決まってるよ、、」

「僕は、右かな」

「じゃあ、そっちに行こう」

1歩前にいる香澄さんをみる

、、全然怖がってないなー

やっぱりおばけとか大丈夫な人なのか

「ガタンっ!」

「いやっ!ガチ無理!」

「龍星、あそこに途中退出口あるぞ」

「だ、だから怖くねえって」

龍星にがっちり腕を掴まれる

「あぁぁぁ〜」

物陰からお化けが出てくる

「きゃぁーー!!!」

舞さんが香澄さんを引っ張って走っていく

「うわっ、、!」

龍星に引っ張られて一緒に走っていく

「ガチ無理ガチ無理」

「月走るよ〜」

そのまま皆で出口まで走っていくと光が見えた

「やっと着いたー!」

外を出ると既に香澄さん達が待っていた

「あれ?瑠夏は??」

「確かに」

後ろを見ても瑠夏さんは居なかった

「入口までは確かに居たはず、、」

「まじ?!瑠夏居なくなっちゃったの?!きっとお化けに拐われだんだよ!」

「うん。それはないね」

ほんとに迷子になっちゃったんだ、、

「じゃあまだこん中に居るなら助けねぇとじゃん」

「でも、もしかしたら人の流れに乗って出てくるかも」

「月くん、それは無いんだよ。あの子迷子になったら何があっても動かない精神の代表者だから」

「あっ、そうなの?」

そんな人居るんだ、、

「じゃあ誰か迎えに行くか」

「そうね、なら私が行くわ」

「俺も行くー」

香澄さんが行くなら俺も行こ

「なんであんたが来んのよっ、、!」

「いいじゃん、いいじゃん」

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