天才外科医は仮初の妻を手放したくない

仮初めの花嫁


讃美歌が流れる教会。

大きなステンドグラスには天使が舞っている。


目の前には、英語風の発音で日本語を話す神父様。


私は純白のドレスに刺繍が美しいロングベールを纏っている。


隣には白のフロックコートを美事に着こなす美丈夫な新郎。


幸せで満ち溢れた光景だ。





…しかし、私はこの新郎を知らないのだ。

詳しく言えば、つい数時間前にホテルのフロントで会ったばかりなのだ。







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