天才外科医は仮初の妻を手放したくない

部屋の中から二人の声が聞こえて来る。


「俺はもう結婚もしているし、子供もいる身だ。だからお前の物には悪いがなれない。」

「私はあなたがどんな状況でも構わないの、あなたが欲しかったのよ。だから私と一緒に死んでほしいの。」


警察は二人の話から危険を感じてドアを機械で壊してこじ開けた。

すると、そこにはナイフでお腹に刺された陽斗と自分にナイフを突き刺した萩原が倒れていたのだった。



「陽斗さん!いやー!陽斗さん!」


私の叫び声に陽斗はまったく反応しない。

気絶しているのだろうか。


間もなくして救急車と救急隊が到着した。

倒れている二人の脈を確認している。


萩原の脈を確認した救急隊は、首を横に振ったのだ。
そして、陽斗の脈を確認すると、急ぎ救急車に乗せたのだった。







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