天才外科医は仮初の妻を手放したくない

陽斗が午前中の説明を終えてプレイルームに迎えに来てくれた。

これからレストランでお昼が食べられるのだ。

船の中には10店舗ほどのレストランがあるのだ。


「雫、何が食べたい?」

「んーちゅるちゅる食べたい。」

これは雫の言葉で蕎麦かうどんが食べたいと言う麺類をすする音なのだ。

私達は日本蕎麦屋に入ることにした。

この日本蕎麦屋は日本でも有数の老舗からのれん分けをしてもらった蕎麦屋なのだ。


「雫は、なべ焼きうどんかなぁ…陽斗さんは何が良い?」

「俺は天ぷらともり蕎麦のセットにする、澪は?」

「私は鴨南蛮にしようかな。」


私達が食事しているところを、マスコミはパシャパシャと写真を撮っている。
陽斗さん以外は顔を出さないという約束で写真はOKしたので仕方ない。

以前は陽斗も写真を撮られることを嫌っていたが、自分の会社の広告宣伝になるなら仕方なく引き受けている。

陽斗が出ている広告は評判が良く売り上げが上がるといわれているのだ。

イケメンのなせる業である。




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