天才外科医は仮初の妻を手放したくない

「では、ここで寝ていてくださいね、音がしますが大丈夫ですよ。」

船についているMRIを使った検査をすることにした。

バリバリという少し大きな音がするが痛みも何もなく寝ているだけだ。

15分後検査結果を見た陽斗は表情を曇らせた。


「これは…。」

一緒に見ていた大久保も声を詰まらせる。

「なんと…。」


結論は胃癌だったのだ。
しかもかなりステージが進んでいるようだ。
胃を摘出する手術が必要だと陽斗は言った。


本人に結果を知らせると、彼女は表情を曇らせた。

「やはり…癌だったのですね…。」

本来であれば船で手術も可能だが、今回はお披露目の為時間が無い。

陽斗は彼女を東京にある西園寺の病院に連れて行くことを決めていた。
一番早いのは、この船で一緒に帰ることだ。

陽斗は彼女の家族にも了承を得て、彼女を東京に連れて行くことにした。


< 111 / 141 >

この作品をシェア

pagetop