天才外科医は仮初の妻を手放したくない
島を出発して12時間。
病院船は東京に戻って来たのだった。
早速連れて来た彼女の手術を調整する。
陽斗は自分が執刀するので、大久保に助手を依頼した。
東京に戻ってまだ数時間だけれど、これから手術を行いという。
「澪、家に送っていけなくて悪いな。」
陽斗は私の頬にチュッと音を立ててキスをした。
「大丈夫です。タクシーで帰りますから心配しないでくださいね。」
それから手術は5時間以上かかったと言っていた。
ただ、少しでも手術を早くすることで癌を早く取り除きたかったのだ。
もちろん、手術は無事に成功したのだった。