天才外科医は仮初の妻を手放したくない
それぞれの幸せ
晴れ渡る青空、海が一望できる丘の上に建つモダンなチャペル。
今日は幼馴染の 前坂理久と、ホテルの後輩 池田 真由の結婚式が行われるのだ。
男の人はとても不思議で、理久に殴られた陽斗さんは男の約束をしたからと言って、ぜひ結婚式に参列したいと言ったのだ。
陽斗さんは黒のスーツに白ネクタイ。
私はグレーのワンピースで参列をすることにした。
今日は雫を一日、西園寺家本家で預かると言ってくれたのだ。
最近は、お義父さんもお義母さんも雫が来てくれるのを楽しみにしているらしい。
「澪ちゃん!元気だった?」
私の肩をポンと叩いて元気に声を掛けたには、美粧室の安藤だ。
安藤は大人っぽいベージュのドレスを着こなしていた。
安藤は陽斗を近くで見て圧倒されている。
「うわっ、イケメン過ぎて眩しいわ!」
すると陽斗はケラケラと笑い始めた。
「僕はもう子持ちのおじさんですよ。揶揄わないでくださいね。」
理久と真由はガーデンパーティーで結婚式を行うのだ。
このガーデンには美しい花が植えられている。
二人は皆のフラワーシャワーを浴びながら入場してきたのだ。
スポーツマン体系の理久はグレーのフロックコートを綺麗に着こなしている。
可愛いタイプの真由は、ピンクでフワフワのドレスで入場だ。
まるで花の妖精のようだった。