天才外科医は仮初の妻を手放したくない
付き合っていないのに子供が出来たってことは、そう言う関係なのだろうか。
陽斗は聞きづらい事を言ってしまう。
「お前たちは、セフレなのか?」
私は焦って陽斗を止めた。
「ち…ちょっと…陽斗さん、そんな言い方は失礼ですよ。」
すると、大久保は諦めたように話を始めた。
「実は早乙女から相談されたんだよ…子供が欲しいから協力してくれって、俺も驚いたけど彼女は真剣だって言うから…協力したまでなんだよな。」
陽斗は不思議そうに言葉を続けた。
「それで、お前たちはどんな相談があって俺達を呼んだんだ?」
今度は早乙女が口を開いた。
「私は一人で産んで育てるつもりなのよ…でも大久保君がそれは大変だから、やっぱり結婚しようと言ってきたの。そこで子育て経験のある陽斗たちに来てもらったのよ。」
「なるほどね。」
陽斗は顎に手を置いて何かを考え始めた。
「こういうのはどうかな…結婚はしないけど、パートナーとして一緒に住んでみる。それでお互いに必要なければ別れれば良いし、必要と感じたら籍を入れることにする。…どうかな?」