天才外科医は仮初の妻を手放したくない
「私はずっと西園寺先生が好きだったのよ。でも先生は結婚しているからと言って私を相手にしてくれなかったの…でもね、西園寺先生も男でしょ…だからおばさんの奥さんより、たまには若い子の肌が良いのじゃないかなって思ったの。あと少しで良い所だから、おばさん、ちょっと先生を貸してくれない?」
この子は何を言っているのか、頭の中が真っ白になった。
私は陽斗を起こそうとして大きな声を出した。
「陽斗さん、しっかりしてください!陽斗さん!陽斗さん!」
すると、陽斗ピクリと動いたのだった。
どうやら陽斗は睡眠薬か何かで眠らされているっようだ。
森本は陽斗にぺったりとくっついて、唇にキスを落としている。
「森本さん、もうやめてください!」
私が森本を引き離そうとした時、その振動で陽斗が目を覚ましたのだった。
「森本、お前は何をしているんだ…どいてくれないか。」
陽斗は森本を払いのけると、全裸の森本に置いてあったバスタオルを被せた。
「澪、俺は眠らされていたようだ。」
森本はそれでもまだ諦めないようだ。
「先生、一度でいいの…お願い抱いてください。」
陽斗は無表情で応えた。
「今すぐこの部屋から出て行ってくれないか、出て行かないなら警察を呼びぞ!」
さすがの森本も警察と言われて悲しい顔をした。
そして捨て台詞を残して部屋を出たのだった。
「先生の馬鹿!!」