天才外科医は仮初の妻を手放したくない

そんなある日曜日のことだった。
家のベルが突然なったのだ。


「はーい、どちら様ですか?」


ドアを開けるとそこに居たのは、一年前の勉強会に来ていた森本さんだった。
しかし、その後ろには前回一緒に参加した浅田君一緒だったのだ。



「森本さん、浅田君、一緒にどうしたの?ちょっと待っててね、陽斗さんを呼んでくるわ。」


私が陽斗さんを呼んでくると、森本は深々と頭を下げたのだった。



「先生、去年は迷惑かけてごめんなさい。あの時言われたことをずっと考えていた時、浅田君から連絡をもらったの。そしたら浅田君は先生と同じことをいってくれたんだ。その時に気が付いたの。私を大切にしてくれる人はこういう人なんだってね。だから今は浅田君と交際しているの。これも全部先生のお陰だから、一言お礼を言いたかったの。」


「諸本、浅田、良かったな。幸せにな。」


陽斗の言葉に二人は大きく頷いた。

そして二人は嬉しそうに去って行ったのだった。



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