天才外科医は仮初の妻を手放したくない

「陽斗さん、今…何て言いましたか…お腹の子も助かったのですか？」



陽斗は涙ぐんで大きく頷いている。



「とても可愛い男の子だ。澪にそっくりですごく可愛い。」


私は男の子と聞いて驚いた。
さっきの草原にいた男の子は誰なのだろう。



「澪、ほら、この子だよ…男の子だ。元気いっぱいだぞ。」



陽斗が赤ちゃんを持ち上げた時、その子を見て驚いたのだ。

その子はさっき草原にいた男の子にそっくりだ。



「ママ、後で会おうって言ってたの…」



私の言葉を聞いて、陽斗は不思議な表情をした。



「男の子が広い草原で、ママ後でまた会おうって言ったのです。」