天才外科医は仮初の妻を手放したくない
出産前の最悪な事故だったけれど、それを陽斗が助けてくれたのだ。
不思議なのは、私が体験した夢だけではなく、励人も同じ場面を見たと言っているのだ。
どちらにしても、陽斗が私達を救ってくれたことに変わりはない。
励人が陽斗へ話し掛けている。
「ねぇ、パパ、僕ね大きくなったらパパみたいなお医者さんになりたいんだ。そして皆を救ってあげたいの。」
陽斗は励人の話を聞いて目を細めた。
「励人なら、パパ以上のお医者さんになれるぞ…きっと、だからお勉強を頑張るんだな。」
「うん!」