天才外科医は仮初の妻を手放したくない



陽斗と私が出会ってもう20年。


陽斗は50歳を過ぎている。

私も40を過ぎてしまった。


そんなある日、陽斗は何かを決断したように私に話をしたのだった。


「澪、ずっと前から考えていた事なんだけど、島にある診療所で老後はゆっくり暮らさないか?」


私は驚いたがすぐに返事をした。

私も同じ考えだったのだ。

あの島での暮らしはとても温かくて素敵だった。


「私はもちろん大賛成です。」





< 138 / 141 >

この作品をシェア

pagetop