天才外科医は仮初の妻を手放したくない
「もしもし…理久。」

「澪、全然返事がないから心配したよ。俺もキツイ事言って悪かったな。」

「…うん。」

「…澪、どうしたんだよ、声に元気ないぞ。」

「…うん、大丈夫。」

「澪、…これからそっちに向かうからな…2時間後に前回の居酒屋に行く。絶対来いよな!」

理久は幼馴染で小さい頃から一緒だった。
私が落ち込んでいるのは声だけでも分かるのだろう。


私は理久から言われた時間より少し前に店についていた。


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