天才外科医は仮初の妻を手放したくない
陽斗さんとの接し方が分からず頼ったのは、美粧室のチーフをしている安藤だ。
結婚式でも私の支度をしてくれたのは安藤なのだ。
安藤は私がフロントで婚礼担当になって以来、何かと相談に乗ってくれるお姉さんだ。
安藤は結婚したが離婚も経験している。
そして今は新しい彼と同棲していると聞いていた。
経験豊富な安藤に頼るしかないと思い連絡をしたのだった。
「澪ちゃん、久しぶりだね。あの結婚式以来だよね。澪ちゃんからお誘いを貰うなんて初めてで嬉しいわ。」
安藤の仕事終わりに合わせて、ホテル近くのカフェで待ち合わせをした。
「安藤チーフ、突然ですが、恋人との接し方について教えて欲しいの。」
安藤は私のあまりにも突然の言葉を聞いて、飲んでいたアイスコーヒーを拭き出しそうになっている。
「ちょっと、澪ちゃん!突然何を言うのかと思えば…恋人の接し方?」
安藤はケラケラと笑いながら話しているが、私はいたって真剣な表情をした。
「それはね…自分がしたいようにすればいいのよ。」
安藤の言っている事がよく理解できない。
「自分がしたい…どうしたいかわからないです。」
すると安藤は少しニヤニヤとした笑顔になった。
「ねぇ、澪ちゃんは、その恋人に触れたいとか…抱きしめられたいとか…何か思わないの?」
私は抱きしめるという言葉を聞いただけで顔が熱くなった。
安藤はさらにニヤニヤというよりニマニマという表情に変わった。
「ねぇ、澪ちゃんはその人に抱きしめられてどう感じたの?もっとして欲しいとかキスしてほしいとか…。」
「安藤チーフ!そんなキスして欲しいなんて…恥ずかしい事を言わないでください。」
安藤は私の顔をじっと見つめた。
そして大きく息を吐いてから話を始めた。
「澪ちゃん、私だったら好きな人に触れたいし、キスしたいし、抱いて欲しいと思うよ。でもそれは恥ずかしい事じゃなくて自然な事じゃないのかな?もしかして…西園寺さんの事なの?」
安藤から陽斗さんの名前を言われてさらに顔が熱くなった。
安藤はすべてお見通しのようだった。
「西園寺さんはきっと今までも相当モテる人だと思うけど、本当の恋愛はしてきているのかしら?私の経験では案外モテる男って、本当の恋愛を知らないのよね。女の方から寄って来るからそれで満足しちゃうのよ。案外恋愛経験は意外と少なくて、澪ちゃんとお互い様じゃないのかしら。」
さらに、何も言えず固まっていた私に話を続けた。
「そうかぁ、西園寺さんは澪ちゃんみたいなタイプに弱いかもしれないね。グイグイくる女の人は今までたくさん周りにいたかも知れないけど、純粋な澪ちゃんとどう接してよいか西園寺さんも分からないかもね…あっそうだ!なにかおねだりしてみたら。」
「おねだりって…何も欲しくないし…。」
安藤は私を見ながら大きく首を振ったのだ。
「物じゃなくていいのよ。例えば一緒に食事行きたいとか、買い物に行って欲しいとか、そんな些細な事でも澪ちゃんに言われたら嬉しいかもね。」
結婚式でも私の支度をしてくれたのは安藤なのだ。
安藤は私がフロントで婚礼担当になって以来、何かと相談に乗ってくれるお姉さんだ。
安藤は結婚したが離婚も経験している。
そして今は新しい彼と同棲していると聞いていた。
経験豊富な安藤に頼るしかないと思い連絡をしたのだった。
「澪ちゃん、久しぶりだね。あの結婚式以来だよね。澪ちゃんからお誘いを貰うなんて初めてで嬉しいわ。」
安藤の仕事終わりに合わせて、ホテル近くのカフェで待ち合わせをした。
「安藤チーフ、突然ですが、恋人との接し方について教えて欲しいの。」
安藤は私のあまりにも突然の言葉を聞いて、飲んでいたアイスコーヒーを拭き出しそうになっている。
「ちょっと、澪ちゃん!突然何を言うのかと思えば…恋人の接し方?」
安藤はケラケラと笑いながら話しているが、私はいたって真剣な表情をした。
「それはね…自分がしたいようにすればいいのよ。」
安藤の言っている事がよく理解できない。
「自分がしたい…どうしたいかわからないです。」
すると安藤は少しニヤニヤとした笑顔になった。
「ねぇ、澪ちゃんは、その恋人に触れたいとか…抱きしめられたいとか…何か思わないの?」
私は抱きしめるという言葉を聞いただけで顔が熱くなった。
安藤はさらにニヤニヤというよりニマニマという表情に変わった。
「ねぇ、澪ちゃんはその人に抱きしめられてどう感じたの?もっとして欲しいとかキスしてほしいとか…。」
「安藤チーフ!そんなキスして欲しいなんて…恥ずかしい事を言わないでください。」
安藤は私の顔をじっと見つめた。
そして大きく息を吐いてから話を始めた。
「澪ちゃん、私だったら好きな人に触れたいし、キスしたいし、抱いて欲しいと思うよ。でもそれは恥ずかしい事じゃなくて自然な事じゃないのかな?もしかして…西園寺さんの事なの?」
安藤から陽斗さんの名前を言われてさらに顔が熱くなった。
安藤はすべてお見通しのようだった。
「西園寺さんはきっと今までも相当モテる人だと思うけど、本当の恋愛はしてきているのかしら?私の経験では案外モテる男って、本当の恋愛を知らないのよね。女の方から寄って来るからそれで満足しちゃうのよ。案外恋愛経験は意外と少なくて、澪ちゃんとお互い様じゃないのかしら。」
さらに、何も言えず固まっていた私に話を続けた。
「そうかぁ、西園寺さんは澪ちゃんみたいなタイプに弱いかもしれないね。グイグイくる女の人は今までたくさん周りにいたかも知れないけど、純粋な澪ちゃんとどう接してよいか西園寺さんも分からないかもね…あっそうだ!なにかおねだりしてみたら。」
「おねだりって…何も欲しくないし…。」
安藤は私を見ながら大きく首を振ったのだ。
「物じゃなくていいのよ。例えば一緒に食事行きたいとか、買い物に行って欲しいとか、そんな些細な事でも澪ちゃんに言われたら嬉しいかもね。」