天才外科医は仮初の妻を手放したくない
「それでは、西園寺先生、澪ちゃんの歓迎会を始めまーす!カンパーイ。」
皆が缶ビールやジュースをコツンとぶつけあって乾杯をした。
今日は浜辺でバーベキューを用意してくれたのだ。
パチパチと火が燃えて、鉄板の上には採れたばかりの魚や貝がたくさん並んでいる。
「う~ん、陽斗さん、美味しそうな匂いですね。」
「澪、島に来て良かったな。」
さらに海の近くでは花火も上げてくれたのだ。
ドーンヒュルヒュルと音を立てて、花火が夜の空に花を咲かせる。
花火を見ながら陽斗は私と手を繋いだ。
「こうして澪と花火も見たかったんだ。東京では忙しくて花火大会にもいけなかったもんな。」
バーベキューに花火、そして皆の笑顔が最高の歓迎会だった。