アザミの箱庭 「バリキャリウーマンの私が幼女に転生したので、次は大好きなお兄様を守ります」
パーティを追放されたオレは始まりの村のモブ村娘を絶対に振り返らせたい
「ようこそ はじまりのむら リンクスへ! みてみて このおはな キレイでしょう」
▶はなしかける
あたりをさぐる
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きれいなはなたば を プレゼント した!
「まあ! なんてきれいな はなたば! うれしいわ ありがとう ゆうしゃさま」
……
うれしいわ ありがとう ゆうしゃさま。
……
ありがとう ゆうしゃさま。
……
……
「剣士アルベルト、お前をこのパーティから追放する!」
「はあっ? なんでだよっ!」
オレはパーティのリーダー……クラウスが言い終わる前に、喰らいついた。
はあ、とクラウスは大きなため息をつく。
「……そういうところだ、アルベルト。リーダーである俺の、やることなすこと全方位に噛み付いてくるお前の性格。……合わないんだよ。正直うんざりだ」
「でもよっ! オレだってパーティに貢献してきたろ? なあ、エミーリア、グレーテ!」
オレが前衛で守ってきた白魔法使いと踊り子はリーダーのナイトにすがった。
「ごめんねえ、アルベルトちゃん。あたし、やっぱり、クラウスの言うことに一理あると思うの。……ねえ、エミーリア」
「……ごめんなさい、アルベルトさま……お許しを」
「……と、言う訳だ。協調性に欠けたお前はパーティには必要ない。さっさと出ていきな」
……勇者だかなんだか知らねえが。
両手に花を持って、浮かれやがって。
「なんだよなんだよ! わかったよ、そんなパーティ、こっちから願い下げだよ! あばよっ!」
オレはリンクスいちの高級宿屋を飛び出した。
……
村の大通りのあっちこっちには駆け出しの冒険者ばかり。
まだ不慣れな連中が、新しいパーティを探して右往左往。
──ちっ。オレもコイツらみたいにやり直せってか。
「あの、勇者様ですか?」
気弱そうな駆け出しの冒険者に声を掛けられた。
ああ。
なるほどな。
「そう見えるか……見えるよな。……わりぃ。オレ、勇者様じゃねえんだわ」
リンクスは銅鉱山で栄える比較的大きな村。
極めて良心的な価格で安価な青銅製の武器防具が揃うので、ここを「始まりの村」と呼び最初の拠点とする冒険者も多い。
で、オレが身につけているのは「真鍮製」の鎧。
青銅製の武具と違い金色に見えるから、黄金の鎧を身につけた一流騎士に見えるのだろう。
でも、真鍮も……黄銅。
銅製であることに違いは無い。
何を隠そうコイツも、このリンクスで作ってもらった初級の防具なのだ。
大好きな金色に見えるから。
それだけの理由で鍛冶屋にこしらえてもらった、ピカピカの鎧。
黄金に似た、真鍮。
勇者に似た、ただの剣士。
……ニセモノの、勇者。
オレにぴったりの名前だ。
そんなことを考えながら歩いているうちに、村の入口に着いた。
なんて言ったかよく分からない紫の花が、素朴な花壇に植えられている。
その中で、ジョウロ片手にぼーっと突っ立っている村娘に目がいった。
身に纏う服は、茶色のワンピースにエプロン。
その辺の、どこにでも居る村娘だ。
ただ、きれいな赤毛のお下げが、夕焼けによく映えて。
その後ろ姿はやけに。
──やけに、綺麗に見えた。
「……おい、どうした、そろそろ暗くなるぞ」
するとくるりと回って、その子はそばかすいっぱいに笑顔で答えた。
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……
うれしいわ ありがとう ゆうしゃさま。
……
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……
……
「剣士アルベルト、お前をこのパーティから追放する!」
「はあっ? なんでだよっ!」
オレはパーティのリーダー……クラウスが言い終わる前に、喰らいついた。
はあ、とクラウスは大きなため息をつく。
「……そういうところだ、アルベルト。リーダーである俺の、やることなすこと全方位に噛み付いてくるお前の性格。……合わないんだよ。正直うんざりだ」
「でもよっ! オレだってパーティに貢献してきたろ? なあ、エミーリア、グレーテ!」
オレが前衛で守ってきた白魔法使いと踊り子はリーダーのナイトにすがった。
「ごめんねえ、アルベルトちゃん。あたし、やっぱり、クラウスの言うことに一理あると思うの。……ねえ、エミーリア」
「……ごめんなさい、アルベルトさま……お許しを」
「……と、言う訳だ。協調性に欠けたお前はパーティには必要ない。さっさと出ていきな」
……勇者だかなんだか知らねえが。
両手に花を持って、浮かれやがって。
「なんだよなんだよ! わかったよ、そんなパーティ、こっちから願い下げだよ! あばよっ!」
オレはリンクスいちの高級宿屋を飛び出した。
……
村の大通りのあっちこっちには駆け出しの冒険者ばかり。
まだ不慣れな連中が、新しいパーティを探して右往左往。
──ちっ。オレもコイツらみたいにやり直せってか。
「あの、勇者様ですか?」
気弱そうな駆け出しの冒険者に声を掛けられた。
ああ。
なるほどな。
「そう見えるか……見えるよな。……わりぃ。オレ、勇者様じゃねえんだわ」
リンクスは銅鉱山で栄える比較的大きな村。
極めて良心的な価格で安価な青銅製の武器防具が揃うので、ここを「始まりの村」と呼び最初の拠点とする冒険者も多い。
で、オレが身につけているのは「真鍮製」の鎧。
青銅製の武具と違い金色に見えるから、黄金の鎧を身につけた一流騎士に見えるのだろう。
でも、真鍮も……黄銅。
銅製であることに違いは無い。
何を隠そうコイツも、このリンクスで作ってもらった初級の防具なのだ。
大好きな金色に見えるから。
それだけの理由で鍛冶屋にこしらえてもらった、ピカピカの鎧。
黄金に似た、真鍮。
勇者に似た、ただの剣士。
……ニセモノの、勇者。
オレにぴったりの名前だ。
そんなことを考えながら歩いているうちに、村の入口に着いた。
なんて言ったかよく分からない紫の花が、素朴な花壇に植えられている。
その中で、ジョウロ片手にぼーっと突っ立っている村娘に目がいった。
身に纏う服は、茶色のワンピースにエプロン。
その辺の、どこにでも居る村娘だ。
ただ、きれいな赤毛のお下げが、夕焼けによく映えて。
その後ろ姿はやけに。
──やけに、綺麗に見えた。
「……おい、どうした、そろそろ暗くなるぞ」
するとくるりと回って、その子はそばかすいっぱいに笑顔で答えた。
「ようこそ はじまりのむら リンクスへ! みてみて このおはな キレイでしょう」