一途な脳外科医はオタクなウブ妻を溺愛する
本当にただ足手まといだっただけかもしれない。だけど、優しい柊二さんならそう考えたとしても頷ける。
愛想をつかされたかもと思っていただけに、彼の優しさが胸に沁みわたっていく。
「お気遣いありがとうございます。これから順調に回復するかどうかはまだ未知数ですけど、それでも命があって本当によかったです」
「そうだな。俺も、きみの笑顔を奪うことにならなくて本当によかったと思ってる」
「柊二さん……」
どうしよう。今すごく、彼のことが好きだと伝えたい。
職場で告白するなんて不謹慎だろうか。だけど。
『好きだって、もっとたくさん……言っておくんだったって』
先ほど聞いた竜星くんの切ない声が脳裏に蘇る。好きな人と二度と会えなくなるかもという状況でそんなことを思うのは、彼もすごくつらかったはずだ。
私だって柊二さんといつまで一緒にいられるかわからないのだ。彼と離れてから後悔はしたくない。
たとえ実らない恋だとしても、今、気持ちを伝えなくちゃ。