スカイブルーPeace
好きってなんだろう
嬉しいってどんな気持ちなんだろう
怒りって何?
愛って、どんなもの


ネェダレカ、ワタシニオシエテヨ……



私はいらない存在だった。
きっと生まれるべきではなかった、生まれちゃいけなかったんだ。

ピピピピピピピピッ
「……」
朝、また長い1日が始まる。

髪の毛にブラシだけ通してあの人のいる部屋に階段を降りていく。
灯、ついてる……あの人もう起きてるのか……
静かに扉を開けると目の前には
「おはよう、凛華(リカ)」
不気味な笑みを浮かべている男。
「さぁこっちにおいで」
その言葉に私はつい従ってしまう。足が勝手に動くんだ。
私がそばまで行くと男は不気味に上がっていた口角をさらにあげ
「今日も一緒に楽しもうな」
そう言って私の頭を撫でる。優しさなんてこれっぽっちも無い冷たい手で
「今日からまた学校なんだろ?準備しておいで」
優しいようで大量の圧と殺気が混ざった声。この人には逆らえない、逆らってはいけないと思わせる。
「はい、行ってきます“お父さん”」
「5時には必ず帰るんだぞ」
「はい。」

私の家には門限がある。その時間が5時だ。あの人が仕事を終わらせて帰ってくる時間が5時。
帰ってきてすぐに私が出ていかないとさらに狂ってしまう。一度1分すぎて家につき、ぶたれて外にずっと立たされたことがある。
冬だったのもあって凍え死にそうな中、朝になるまでそこで過ごした。だから私は5時には帰ってこないといけないのだ。

あの人がいる部屋を出て自分の部屋に行く。
この部屋にはほとんど物がない。制服、私服(全て一着ずつ)、ブラシ、化粧道具、ドライヤー、ベット、学校道具。
それ以外のものはこの部屋には、この家にはほとんど私のものは置かれていない。
その少ないものの中から制服を取り出して着替える。
制服だけはいいうちの学校、なんでか知らないけど毎年人気なんだって。
私は学校に行く必要もないし、行きたくもない。でもあの人の命令だ。逆らうわけにはいかない。
それにこの家に一日中居続けるよりは何十倍もマシだ。
部屋に飾られてる謎に大きい鏡の前に立ち髪を結ぶ。私は基本ハーフアップをしている。
そしてカラーコンタクトで目の色を隠している。私の目の色はスカイブルーで何かと目立つ。だからカラーコンタクトで隠すのだ、私は別にこのままでもいいんだけどあの人に言われたからな、仕方ない。
この格好も学校も全てあの人の指示。

はぁ、また今日も長い長い一日の始まりだ。
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