スカイブルーPeace
もし今も浩暉が凛華のことを好きで今の凛華を見ても気持ちが変わらなかったら、浩暉なら凛華を救えるかも知れない……
でも……それで救えなかったら……
だけど少しでも可能性があるならかけてみてもいいかも知れない……
喜多村くんなら凛華を……きっと
「ねぇ、喜多村くん。喜多村くんって凛華のことまだ好き……なの?」
「…………分かんねぇ。でも忘れた日は一度もない」
それって好きってことじゃん
なら
「お願い、喜多村くん……凛華を……凛華を救って!!」
「え?」
「喜多村くんしか居ないの!お願い、お願いします」
「……よくわかんねぇけど向こうが今俺のことを覚えてるとは……」

「はい!そこまでじゃーレク始めるよ」
その一言で私たちは凛華の話をやめた……
ただ頼もうと思ってただけなのに少し取り乱しちゃったな、目に涙浮かんじゃったし……
これからどうなるかはわからない。でもどうなっても私は絶対に凛華の味方だよ。


Side:凛華
ソファで寝ていたらあっといまにお昼の時間になっていた。
少し外の空気でも吸いに行くかな
そう思って中庭に行くといつもは人がいないのに一人の男がいた。
ここは私の第二のお気にいるの場所で木下の日陰がちょうどいい暖かさでたまにくるんだ。
今まで誰かがここにいたことはないのに……
誰だ?
そう思ってその男の近くに行ってみると私に気付いたのかその男はこっちをみた。
「っ!」
喜多村?なんでこいつがここにいるんだ?迷ったとか?
「ここで、何してるんだ?」
気がつくと私はそう声をかけていた。

Side:浩暉
「お願い、喜多村くん……凛華を……凛華を救って!!」
「喜多村くんしか居ないの!お願い、お願いします」
転校初日、俺は初恋の女、凛華の友達咲良に会った。
それから咲良に凛華を救ってほしいとお願いされた。
その時間が過ぎてもずっと頭から離れなかった。咲良の瞳が潤んでいた。
救うってどういうことだ?俺が知っている凛華はいつもみんなの中心にいて誰かが困ったり傷ついていたらすぐに駆けつけて、そしてみんなを笑顔にする。それに自分が何か言われても何も言わないのに友達が何か言われたりされたりするとすごく怒る。そんな人だった。そして凛華自身もいつも笑顔で楽しそうにしていた。そんな彼女を救うって……?

気がつくと昼休みになっていて俺は頭を冷やしに外に出た。
外に出てうろちょろすると人のいない静かで涼しいところに来た。ここは中庭か?
はぁ咲良が涙するほどって一体何があったんだ?
ていうか救えって言われても俺今あいつがどこにいるかあ知らないし……
それに向こうも俺のことを覚えてくれているかわからない。これじゃあ救いようねぇよな
中庭で横になって目を閉じて考えていると足音が聞こえた。
気になり目を開けて音のした方を見てみると
「っ!」
そこには、凛華がいた。
「ここで、何してるんだ?」
ただ驚いて凛華の顔を見ていると凛華が口を開いてそういった。
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