スカイブルーPeace
ていうかこいつ凛華だよな?
髪色と顔の雰囲気は凛華そのものだけど目の色が違う。凛華は綺麗スカイブルーの瞳をしている。
でもこいつの目は黒だ。それに話し方と雰囲気が全然違う。俺の知っている凛華じゃない。
それにこいつ目に輝きがない。絵で言うならハイライトの入っていない真っ黒な瞳をしている。
「おい、ここで何をしてるか聞いてるんだけど」
凛華はこんな喋り方しなかった。
「ちょっと考え事があって、えっと……」
「同じクラスの御月凛華だ。転校生喜多村だろ?」
「あ、あぁ」
名前、凛華と一緒。ってことは本当に凛華なのか?
でも信じざるを得ない。後で咲良に聞いてみるか
「お前私と会ったことあるか?」
え……こいつ俺のこと覚えてんのか?だとしたらちょっと、嬉しい……
「悪い、いきなり変なこと聞いて。なんか見たことある気がしたから。」
「そ、そうか」
「じゃ、私はいくな」
凛華、ここに用があってきたんじゃないのか?
「り、御月、ここに用があったんじゃないのか?」
「……あぁここでねようと思ってたんだけど、まぁ喜多村の方が先だったからな。邪魔しちゃ悪いと思って」
「いや、俺ここじゃなくてもいいから。譲るよ」
「いや、平気だ。私も別にここじゃなくてもいい」
凛華は小学校の頃頑固だったからな、もし今もそれが変わってないなら何言っても多分無駄だよな
「じゃー二人で使おうぜ」
「……いいのか?私といて」
「は?」
別にいいも悪いもないだろそれに凛華に何があったのか知りたいし
「いや、なんでもない。じゃーいさせてもらう」
「あぁ」
そういうと凛華は俺の隣に座ってゼリーを食べ始めた。
よし、俺も食べるか……って
「お前、昼それだけ?」
「?……あぁそうだな」
「足りんのか?」
「あぁいつもこれだけだし平気だ」
よくみるとこいつ細すぎるし、いくらなんでも食べなさすぎなじゃなね?
「そうか、でも食べたほうがいいぞ。体壊れちまう」
「別に壊れてもいい。それに食欲ないんだ。心配してくれてありがと」
「……そうか、悪い」
別に壊れてもいい……微かにだけどそう聞こえた。
壊れていいわけがない。凛華が体を崩したらきっとみんな心配する。自分をもっと大切にして欲しい
「じゃ、私用すんだから戻るな。あとあんまり私に関わらないほうがいい。」
「え?」
「じゃーな」
なんで関わらないほうがいいんだ?でもそういう凛華の声は突き放すように低くて、そして悲しそうに小さく震えていた。
俺はどうしたらいいんだ……
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