スカイブルーPeace
はぁはぁ…………なんとか間に合った
「きみ、大丈夫か?」
「……」
何も言わない……もしかして怪我でもしたのか?
「どっかぶつけたか?」
「……ごめんなさい」
この横断歩道信号ないし車に気が付かなかったんだろう、でもいきなり死ぬかもって言う恐怖が目の前に来たら怖いよな
この子て震えてるし、目にも涙が溜まってる
「私は怪我してないです……お姉ちゃんは?」
「私も怪我してないから安心しろ、怖かったな」
そう言って頭を撫でるとその子は泣き出した。
「少し場所移動しようか」
「お姉ちゃん、さっき助けてくれてありがとう」
「助けるのはあたりまえだ、間に合ってよかった」
「なんで助けてくれたの?」
なんで?なんでも何もただ体が勝手に動いただけだ。
「助けなきゃって思ったから……かもな」
「私も……私もお姉ちゃんみたいに誰かを助けられるようになる!」
嬉しいこと言ってくれるな、この子ならきっとこのまま強くて優しい人になれるだろう。
成長したこんおこにあってみたいな……
「あぁ頑張れ、きみ名前は?」
「江美!江美です!」
「江美か、いいい名前だな。江美の成長した姿、楽しみにしてるよ」
「うん!お姉ちゃん、本当にありがとね!」
「あぁまたな」
そう言って笑みと手を振って別れる。
時計を見ると四十五分だった。ここから家まで大体20分ちょい、やばい……間に合うか?
いつもなら走って帰る。だけどさっき江美を助けた時足を挫いた。
地味に結構きついけど仕方ない……我慢して走るしかないよな
それでもいつものようにスピードが出せずちょくちょく躓きそうになったりしている間に時間はどんどん迫ってきていた。
家まであと少し……あと少しなのに体力も足も限界になってきていて足がうまく動かない……
頑張れ、凛華……間に合え、間に合え!!!

ガチャ

家について恐る恐る扉を開けると扉の前に鬼の形相をしたお父さんが立っていた。
扉を開ける前に時間を確認すると時間を過ぎてしまっていた。
終わった。そう思った。
「凛華、門限を過ぎるなと何度も言っていたよな?さっきまで何をしてたんだ、あぁ?」
「すみません、少し本屋さんに寄っていました」
「それで時間に遅れていいと思ってるのか?」
「思っていません、すみません」
早く座りたい……立っている足が微かに震えているのが分かる……
落ち着け、心を無にするんだ……痛くない、怖くない……
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